東京海洋大学 ガイドブック2024
19/64

■沿岸域資源論「人と魚と水の関係」から資源について考える沿岸域資源論は、資源を自然そのものとして捉えるのではなく「人と魚と水の関係」として捉えて、資源の持続的利用とそれによる沿岸地域社会の発展について考究しています。■国際海洋政策国際的な海洋問題に対処するための政策を学際的に研究海洋をめぐる問題は、国際的な性質を有することが多く、国内外で大きな注目を集めています。例えば海洋生物資源の保存と管理、地球温暖化と海洋、海洋環境の汚染、生物多様性の保全などの問題が様々なメディアで取り上げられています。■スポーツ生理学・環境生理学海洋におけるヒトの活動を人体生理学から支える素潜りで水深100m以上潜るエリートダイバーに、近赤外線センサーを装着して潜水中の血液の流れを計測したところ、脳に血液が集まってくる現象が観察されました。この現象は、これまでイルカ等で確認されていましたが、ヒトにおいては世界で初めての発見でした。■海洋文学・環境文学環境と人との関係性を資源とその利用とは異なる文脈へと開く当研究室では、文学作品に表れる海をはじめとする自然環境をめぐる言説や表象を分析し、人々の想像力の中で自然環境がどのように構築され、どのように時代と関わっているのかなどを研究しています。漁業をはじめ、釣り、ダイビング、ホエール・ウォッチング、環境保護活動等に着目し、それぞれの「人と魚と水の関係」を規定している生物の生態的特徴、人間の価値認識、そして自然−人間−社会の関係を統合的に把握することを重視しています。授業では、これらの問題を多角的に分析し、その背景や原因を理解するとともに、問題の解決に向けて国際社会がどのように取り組むべきかについて考えます。このことは、持続可能な開発目標(SDGs)の14番目である「海の豊かさを守ろう」という国際目標を達成するために重要です。このような潜水に関する人体生理学を中心に、高齢化が進む海女の腰痛対策、水中での運動が脳の認知機能や自律神経系に与える影響などについて研究を行っています。海を含むより広い環境や生態系に着目する環境文学批評は、環境に関する政策の立案や提言を行う上で必要な「環境的想像力」の養成に不可欠な視点を与えてくれます。国連持続可能な開発会議(2012年)での海洋をめぐる議論の現場海女を対象とした実験の様子18世紀イングランドの温室の再現研究室での現地調査の風景 (栃木県のミヤコタナゴ保護活動への参加)実習風景(沖縄県の赤土流出防止活動への参加)イングランドの秘境、セルボーン村(高台からの風景)研究紹介

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る