東京海洋大学 ガイドブック2024
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■電気動力電気エネルギーの船舶・水中機器応用発電機や電動機(モータ)に代表される電気機器は、船内における電気エネルギーの生成、プロペラを回転させる動力源などに利用されていますが、年々厳しくなる排ガス規制や燃費改善の観点から、効率の良い運用が求められています。本研究室では、本学の大型練習船を含む各種の船舶運航データの実測および解析を行うことで、より良い船内電機システムを検討しています。また、水中探査機向けのワイヤレス給電装置の開発にも取り組んでいます。■電子デバイス生体機能を取り入れた新しい機能デバイスの開発CPUなどの半導体デバイスでは、電子や光などの電磁気的な相互作用による機能に一極集中しています。一方、生体系では免疫反応、たんぱく質合成、遺伝システムといった多様な機能を利用しています。本研究室では、大きく性質が異なる無機系と生体系を融合したハイブリッドな素子構造を構築し、これらの機能を融合した新デバイスの開発を行っています。現在、微細加工技術を駆使したバイオセンサの開発を進めています。多様性保全のための研究に展開したいと考えています。■電子制御海洋ロボット(ROV)の開発海洋は人類にとって未知の領域です。海洋を探索するロボットにROV(Remotely Operated Vehicle)があります。我々は電子回路と制御の技術を使ってROVの研究開発を行っています。ROVはマイコンやDSP(Digital Signal Processor)といった電子部品の塊です。これらの複数の電子回路を組み合わせ水中で動作可能なロボット制御システムを作りあげます。また、電子回路だけでなく制御ソフトウエアやDeep Learningに代表されるAIを使った画像認識技術も重要です。これらの技術を応用し、磯焼けの原因となっているウニを駆除するROV研究をしています。■オートマティクス本質を見極め、意のままに操る!!!船舶や飛行機、電車などの我々の身の回りの物は固有の動特性(ダイナミクス)を有しており、様々な動きをします。これらの対象を意のままに動かすためには、その動きを支配する本質的な要素(運動方程式や伝達関数)を見極め、適切な制御手法を用いる必要があります。 この技術を探求しているのが「制御工学」です。我々とともに、より良い制御手法を研究しませんか?■機械設備冷凍・空調システムのエネルギー有効利用、環境調和技術の実現冷凍・空調の分野では、作動媒体やエネルギーの使用による環境負荷を低減するための技術が求められています。熱駆動型の吸収冷凍機の利用もその対応策のひとつで、自然界に存在する水などを作動媒体とし、太陽熱や未利用熱を利用することができます。このような熱駆動型の冷凍機を主な対象に、エネルギーの有効利用を図り自然環境に調和する機器やシステムをどのように実現していくかという問題に取り組んでいます。センサ表面の原子間力顕微鏡像練習船の運航データの計測作業ワイヤレス給電装置回転型倒立振子実験装置実験用吸収冷凍装置研究紹介

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