東京海洋大学 ガイドブック2024
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■デバイス工学海洋エネルギー機器の高性能化を実現する超電導回転機の開発島国の日本において海洋資源の魅力は計り知れません。海は他の再生可能エネルギーと比べてエネルギー密度が高く、天候の変化による出力変動の少ない有望なエネルギー資源です。■環境化学工学環境に配慮した海底鉱物資源開発技術・鉱物処理技術の検討金属資源の安定的な供給を目指し、環境に配慮した金属資源開発技術に関する研究を行っています。例えば、海底鉱物資源開発に伴って発生しうる金属含有廃水や尾鉱の適切な処理方法を検討しています。天然の熱水鉱石試料を用いた不溶化試験を行い、鉱物分析や地球化学モデリングによる解析を活用することで、処理に適した化学反応条件を検討します。また、微生物-鉱物反応に注目した研究にも取り組み、海底熱水鉱床の成因における海洋微生物活動の寄与や、海洋微生物を用いた新たな有用鉱物分離技術の開発を行っています。■物理探査・地下モニタリング研究地震波で地下を探る・診る海洋や陸の地下には地震を発生させるプレート境界や断層、火山噴火を起こすマグマ溜、石油や鉱物などの天然資源が集まる鉱床等があります。私たちは、海洋エネルギー資源を無駄なく利用して持続可能社会の実現へ貢献するため、小型・軽量・高出力・高効率な超電導発電機/モータの設計・試作と、そのために必要な極限環境技術やセンシング技術などについて「ものづくり」を通じた開発を行っています。■海洋気象学洋上気象現象の把握大気と海洋は相互作用により現象を作り出しており、海洋も含めた気象現象を統一的に研究する必要があります。しかし、洋上で時空間的に連続した海洋気象観測は容易ではありません。当研究室ではフィールドの観測に加えて人工衛星データや気象シミュレーションによる洋上の気象現象の把握に取り組んでいます。特に洋上風力発電に必要な海上風に関する研究を継続しており、中長期のデータ解析による建設適地の選定に貢献しています。これらの場所では地震や噴火などの自然現象や人類による資源開発によって地下の状態が時間と共に変化し、地球環境や我々の生活にも影響を及ぼします。そこで東京海洋大学では人工地震波をつかって地下構造を探ったり、地下の状態変化を診たりするための技術開発や研究をおこなっています。超電導回転機の発電試験大規模洋上風力発電所の風車後流微生物を用いた鉱物分離実験の様子人工衛星搭載マイクロ波散乱計による世界の海上風観測エアガン音源システムによる地震探査観測作業風景金属廃水処理実験の様子日本周辺海域の高度別年平均風速分布研究紹介

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