東京海洋大学 ガイドブック2024
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世界人口の増加や気候変動等による食料不足への懸念が高まっています。食料を増産するための養殖が世界中で注目されています。近年、養殖による生産量は増大しています。しかし、海外で養殖されている魚介類の多くは生産国にとっては外来種であり、自然界へ逃亡した際の生態系への影響が懸念されています。東京海洋大学は海外の大学や研究機関と協力して研究を進めています。その中で本研究はタイ原産魚介類であるアジアスズキ(バラマンディ)とバナナエビを世界中で食べられ魚介類は品質の差が市場価値に大きく影響することから、様々な角度から品質評価技術が研究されてきました。例えば魚肉中のうまみ成分であるイノシン酸の含量や脂質含量、また鮮度を示すとされるK値などが品質指標として広く使用されています。しかし、これらの分析には手間と時間がかかり、また魚を破壊処理しなければならないという問題があります。そのため漁港や市場などの水産現場ではこれら分析が広く普及しているとは言い難く、未だに多くの場合で、漁師や市場関係者の経験や勘により、魚の外観から鮮度やこれまで取り組んできた日中韓の海洋系3大学(東京海洋大学、上海海洋大学、韓国海洋大学校)によるプログラムにASEAN諸国の4大学(チュラロンコン大学、カセサート大学、マラヤ大学、ボゴール農科大学)を加えて、日中韓とASEAN諸国が一体となった教育交流プログラムであり、令和3年度「大学の世界展開力強化事業」に採択されました。持続可能な海洋開発・利用の分野において、相互理解を深める学生の双方向教育と問題解決の高度な専門能力を付与するための大るようになる「世界戦略魚」の主な研究対象種とし、タイの国立水産研究機関や大学と共同研究を進めています。タイとの共同研究では魚介類を家畜のように飼い易くする家魚化を行うための養殖技術の開発、ゲノム情報を基盤とした育種技術の開発、感染症防除法の開発、餌の改良による効率的な生産技術の開発、天然個体のもつ多様な遺伝子資源を永久保存し、そこから個体を作る技術の開発を進めています。将来、本研究による成果は持続的で安定な食料生産の発展に貢献できると考えています。脂乗り等の品質が評価されています。東京海洋大学食品生産科学科では、世界的な水産大国ノルウェーの中核的水産研究機関であるNofimaとの協力により、ディープラーニングを用いた画像解析によりサバを中心とした鮮魚および冷凍魚の品質を完全非破壊かつ迅速・簡便に行うための国際標準となるAI システムの確立を進めています。学院レベルでの質的保証を伴った単位互換制度を実現し、7大学間の学生相互派遣事業を展開しています。本プログラムのIJP(国際協働教育プログラム:4ヵ月程度、6単位以上取得)及びSTP(ショートタームプログラム:2週間程度、2単位取得)は、学部4年生でも参加することができます。また、本プログラムで取得した単位は、大学院先行履修制度により、大学院に進学した際の博士前期課程選択科目に含めることができます。上海海洋大学海洋科学学院でのイカの耳石の取り出し実験韓国海洋大学校Hanbada号にて地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム世界戦略魚の作出を目指したタイ原産魚介類の家魚化と養魚法の構築鮮魚および冷凍魚品質の非破壊迅速評価AIシステムの開発OQEANOUS Plus プログラム(オケアヌス プラス プログラム)海外との共同研究学生交流

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