東京海洋大学 ガイドブック2025
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23■数値流体力学粒子法を用いた波力発電装置の性能解析に関する研究海洋再生可能エネルギーの一つである波を利用する波力発電装置は、発電効率が低く設置・製造コストも高いため、普及できていません。本研究では、波力発電装置の実用化に貢献するため、高効率な装置形状の開発や荒天時の安全性評価を行うための性能解析手法の確立を目指しています。このとき注意するのは、荒天時の状況は想像しやすいものの、波を高効率で吸収する装置は普段の波でも大きく揺れることです。そのため、装置や波が激しく動く現象を精度よく推定できる数値計算手法を選ぶことが重要になります。本研究では、普段の波や荒天時の波、そして浮体の大きな運動を容易に再現可能な粒子法と呼ばれる数値シミュレーション手法に着目し、計算精度の向上、波力発電装置を再現するためのモデルの開発、そして開発したモデルの妥当性を確認するための実験などを行っています。■自己位置 推定ロバストな位置推定に関する研究将来の自動操船支援に必要となるロバストな自己位置推定に関する研究開発を行っています。GNSSは世界中でメートル級の位置を取得できる便利なものですが、干渉等に弱く屋外の開けた場所が前提となります。自動操船では信頼性へのハードルが高いため、GNSSのみに頼らない自己位置推定方法を幅広く研究しています。廉価なIMUとGNSSの統合やカメラやLidarを利用したものです。屋外の開けた場所であればGNSSでcm級の位置及び速度推定が可能であり、IMUやドップラソナーを併用することで着桟時に操船者への負担を減らすための研究及び実験を行っています。また、河川を含めた自動操船を鑑みて、高架下等でもロバストな位置推定を行うためにLidarやカメラによる精密地図生成や自己位置推定の研究及び実験を行っています。複数の研究室の得意な領域を持ち寄り、より堅牢なアルゴリズムを開発しています。■航海システム論船舶航行データを運航支援に関する研究運航支援システムの目的の一つが船舶の衝突リスクを小さくすることです。操縦性能・大きさが異なる様々な船舶が航行する東京湾では、航行規則による船舶交通流の整流や航行管理により大型船同士が近づくことを避けさせることで衝突の発生回数を減らしています。しかし経済活動や気象海象の変化、海洋土木工事による航行海域の制限や工事に関わる特殊な船の航行隻数増加により船舶の交通流が変化することで潜在的な危険が新たに発生しているかもしれません。一方、情報通信技術の発達による新しいシステムが開発・装備されることにより船舶同士もしくは陸上の監視局でも船舶動静を把握しやすくなったことから様々な海域にて長期間の船舶航行データの蓄積が可能となりました。ここでは蓄積される情報を基に海上交通の特性を理解し新しいシステムの利点を活用した衝突リスクの減少、効率的な運航支援に関する研究を進めています。基礎的な検証のための水槽実験粒子法よる数値シミュレーション例Lidar等による精密地図生成と位置推定レーダによる船舶動静の計測東京湾内を航行するAIS搭載船舶の航跡GNSS/IMUを利用した自動着桟支援実験研究紹介

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