金沢美術工芸大学 2025
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Message006 これからまたは今学ぼうとする皆さんに問うことではないかもしれませんが、大学とは本当に学ぶべき場なのでしょうか? 大学で学ぶ大きな目的の一つは専門知識の獲得であることに間違いはありません。この専門知識は将来必要となるスキルや自己成長、キャリアの発展につながり、将来の選択肢を広げるものです。しかし、現代では、インターネットやバーチャル世界から容易にアクセスできる情報が増え、大学の教育と同等の専門知識が得られるようになりました。したがって、大学に通わなくても多くのことを誰もが身につけることが可能になりました。コロナの代償によってオンライン授業が普及したことで、「大学で学べることは本やネットでも学べる。わざわざ大学に行かなくてもいい」という考えが広まりました。しかし、逆に大学でしかできない、あるいは大学生だからできることを見つけられれば、学生生活は今後得ることのできない大変に満たされるものになると私は確信します。 何かを見つけたり実感を得るためには変化、つまり行動が必要です。調べたことやこれまでの経験で納得するのではなく、まずは動いてみる。五感のすべてを使ってやってみる。大学生は基本的に自由であり、自分のために膨大な時間が与えられています。にもかかわらず、多くの学生が卒業間近に思うのはその時間の短さとやり忘れ感です。学生時代の貧乏旅行や初めての体験がとても思い出に残るという理由は、楽しかったこと以上に苦労したことや満たされていないものがあったからです。今いる快適なゾーンから自らが離れなければ、経験を積む場にも新たな価値にも出会えません。思考・視覚のみの世界から体感・五感の世界に戻ってきてほしいと思います。家を出て、大学に行き、街に出向き、友達や先輩、先生方と交流する。ぜひ、実在の人やものと出会って心と身体を動かすことを試してみてください。そしてその経験をもとに制作や研究に取り組み、美大生だからこそ得られる大切なものを見つけてほしいと思います。 金沢そして私たちの大学は環境・人・ものを通してリアルな体感を提供できる無二の学びの場であると確信しています。金沢美術工芸大学 学長 山村 慎哉President Yamamura Shinyaご挨拶

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