北見工業大学 2022 大学案内
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地域と歩む防災研究センター(SAFER)・センター長Kitami Institute of Technology Special Research ReportCase 08global environmental technology地球環境工学環境・エネルギー研究推進センターにまみれた氷のような物体が燃え上がっています。この物体は、次世代エネルギー資源として注目されている『メタンハイドレート』。海底や湖底、永久凍土中で見つかっています。メタンガスによる温室効果はCO2の約20倍とも言われています。メタンハイドレートは気候変動や地球温暖化のカギを握っているかもしれないのです。センターでは、ロシア・韓国・ベルギーなど数カ国との国際共同研究によって、オホーツク海や日本海、バイカル湖などのメタンハイドレート採取に成功しています。結晶構造や化学成分の分析結果から、どんな環境でできたのか、少しずつ解明されてきました。冬になるとオホーツク海にやってくる流氷。海氷の厚さを知ることで、地球温暖化の海氷への影響や、海氷量と水産資源の関係がわかります。また、近年の北極海の海氷減少を受けて利用され始めた北極海航路や、氷海域における海底油田開発といった活動を支援するための「氷状監視」にも応用されています。この研究を支えているのは、人工衛星や航空機による「リモートセンシング」という新しい技術。測定データの信頼性を高めるため、オホーツク海・北極海・南極海での現場観測も行っています。Case 09cold region resilience engineering寒冷地域防災工学地域と歩む防災研究センターあらゆる     を地域に還元。あらゆる     を地域に還元。、北海道では2016年北海道豪雨災害、2018年北海道胆振東部地震をはじめ、かつて経験したことのない規模の災害が発生しています。今後は降雨量の増加や大規模地震発生確率の増加などから、自然災害のリスクが高まると予想されています。このような背景から、2019年5月1日に大学内の防災研究に活用できるリソースを一元化し、総合的な防災教育・研究を展開する「地域と歩む防災研究センターSAFER(セイファー)」を設立しました。SAFERは、積雪寒冷地域での防災力向上を目的とし、これまでの地域との共同研究を「防災」というキーワードでさらに一歩踏み込んだカタチで地域の実情に合った成果の社会還元を目指しています。今SAFER地域に即した防災インフラで、みんなの命を守りたいPROFILE専門分野は地盤工学、土質力学。締固め土の変形・強度特性に及ぼす締固め方法の影響、降雨・地震・融雪水の影響を受けた土構造物の変状など防災に関わる研究を行う。私たちは地域への防災教育活動によって即戦力となる防災技術者や行政担当者などの人材の育成も目指しています。大学には地域特性を活かした特徴的な実験・試験設備が多数あり、特に「オホーツク地域創生研究パーク」は実物大規模の実験インフラが整備され、ここでの研究は大きな意義があると考えています。地球環境工学科 環境防災工学コース川尻 峻三 准教授泥METHANE HYDRATEメタンハイドレート研究PROFILE北海道大学在学中、表層雪崩の予知を目的とした「積雪層構造の形成過程」の研究に携わる。現在は、バイカル湖やオホーツク海、日本海の天然ガスハイドレートに注目し、北海道沖でも船上調査でサンプル採取を計画中。専門分野は、雪氷学、気象学、地球化学。私は天然に存在するメタンハイドレートの安定同位体比を調べたり、結晶の分解に必要な熱量を測定することで、天然環境下での「生成・分解過程」を解明していきたいと、この研究に励んでいます。地球環境工学科 環境防災工学コースはち く ぼ八久保 晶弘 教授  を解き明かせ!  を解き明かせ!謎謎災害研究上記のほかに、10名以上の教員が「地域の環境・特性の把握と発展に関する研究」や「深海で発見した微生物の応用研究」そして「メタン以外のガスハイドレートの工学利用に向けた研究」なども進めています。センターHP (URL:http://www-ner.oce.kitami-it.ac.jp/) もしくは大学HPの「オホーツクスカイ 30号、2~5ページ(URL:https://www.kitami-it.ac.jp/wp-content/uploads/2020/03/Okhotsk-Skies-30.pdf)」をご覧ください。48

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