神戸大学 統合報告書 2020
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AIスマート空調システムの横断的な活用 AIスマート空調システムは、地下街だけでなく、駅や空港、人の往来の多い大型商業施設などへの適用に向けた開発・実証を進めており、2020年3月大阪市にオープンした「イオンスタイル海老江(イオンそよら海老江)」でも実証実験を実施しています。新たにマーケティング分野の実験を取り入れ、いつ、誰が、どこで、どのような商品を購入しているのかといった購買行動情報や、最適な商品配置、ニーズに合った調理タイミング、最適な従業員数などをAIに予測・最適化させようという試みを行っています。実用化段階に移行すれば、全国への展開も可能で、理想的な社会実装モデルの構築になりうると考えています。 近年、組織の枠を超えて協働し、新たな価値を生み出すためオープンイノベーションの機運が高まり、大学の知識、技術、人材に大きな期待が寄せられています。神戸大学の活動ビジョンでも、社会と協働した先端的技術の開発と社会実装を掲げており、文部科学省「オープンイノベーション機構の整備事業」に採択されたことから、2020年度に「学術・産業イノベーション創造本部」を発展的に改組し、「産官学連携本部」を学長直下で機動的かつ戦略的に活動する組織として設置しました。「産学連携・知財部門」「社会実装デザイン部門」「オープンイノベーション推進部門」の3部門からなり、AIスマート空調システムにも取り組んでいます。 各部門が互いに連携し、非競争領域でのプロジェクト育成と競争領域での共同研究・事業化を連結することにより、知の融合から大学の経営資源としての収益確保に至る循環システムを創出しており、共同研究・受託研究の拡大にも寄与しています。オープンイノベーション、産官学連携に向けた組織整備オープンイノベーションの仕組み(実証実験展開型)STEP 1産官学連携での実証実験実施事業化するための企業設立設立した企業との共同研究を拡大STEP 2STEP 3共通の社会課題を基礎とした産官学連携での実証実験を基礎とし、事業化するためのベンチャー企業を設立し、大学との共同研究でさらに発展させる事業化実証実験産学官オープンイノベーションの役割27Project and Strategy

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