神戸大学 統合報告書 2020
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自由な発想から生み出されるアイデアを形にやました ようこ大学院農学研究科准教授。食品科学を専門とする。2018年度神戸大学優秀若手研究者賞を受賞。2018年日本農芸化学会、農芸化学若手女性研究者賞受賞他。*テニュアトラック制度 公正で透明性の高い選考により採用された若手研究者が、任期付の雇用形態で自立した研究者として経験を積むことができる制度。 私は、人が生きていくために必要不可欠な「食」への関心から、人々の健康に寄与する食品の成分を分析し、生活習慣病の予防等に貢献する成分の発見やそれを社会実装に繋げるため、日々研究に打ち込んでいます。神戸大学には、若手や女性の研究者を育て、支援する制度もあり、設備面も含め恵まれた環境のもとで研究に没頭できています。 研究はすぐに成果が出るというものではなく、粘り強さがとても重要ですが、自分の研究がこれまでの常識や知見を覆し、新しい常識を作る可能性があることに大きな魅力を感じます。一方、研究は誰もやっていないことをやり続けることが求められ、常にアイデアを出し続ける必要があります。そのため、様々な分野に対して、常に好奇心や興味、疑問を持って接することで、結果的に自分の研究の発想に繋がることがあります。いろいろな場所に落ちているはずの研究の種(アイデア)に気がつき、拾い、それを育てることができるかで研究者の力量が問われてくると考えています。また、研究者として学生の指導にあたる際は、研究の楽しさ、研究の中やその先にあるわくわくする気持ちを学生と一緒に共有したいという想いを大切にし、学生の実験や研究活動をサポートしています。 研究活動を続けていくことは、研究資金の獲得など、大変なこともありますが、これまでの常識にとらわれず、自由な発想から生み出される斬新なアイデアを形にし、特に食を通して、健康寿命の延伸に貢献できる研究者になりたいと思っています。優れた若手研究者の育成・集積の促進のため、2015年度よりテニュアトラック制度*を導入しました。また、卓越した業績を挙げた若手研究者の研究結果・積み重ねを表彰する「優秀若手研究者賞」も実施しています。2020年度中に、既存の教員評価制度や、優秀若手研究者賞受賞者等の活躍を促進する取り組みを盛り込んだ、新たなテニュアトラック制度を導入することを目標としています。29Project and Strategy

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