神戸大学 統合報告書 2020
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震災文庫神戸大学附属図書館では、阪神・淡路大震災にかかわる資料を収集し、「震災文庫」として公開しています。デジタル化を積極的に行い、被災地をはじめ全国に広く提供しています。奥村教授がセンター長を務める人文学研究科地域連携センターもこの活動を継続的に支援しています。歴史資料保存の取り組み 阪神・淡路大震災をきっかけに、人文学研究科の奥村弘教授は、地震や台風などの自然災害によって失われていく歴史資料の保護と未来への継承に取り組んできました。「地域の歴史を継承する」「災害の記憶を資料として継承する」これら2つの目的のもと、地域歴史資料学を構築し、歴史資料は専門家だけでなく、地域の人々が保存・継承することが重要であるという観点から、地域の人々と共に文化を残すための応用的な研究も開始しました。また、様々な歴史に関する専門家と、ボランティア団体「歴史資料ネットワーク」を1995年2月に結成し、地域と協働し、災害時の歴史資料の保存と震災の歴史を継承する活動を続けています。 2019年度からは、科学研究費補助金(特別推進研究)による新たな地域歴史文化創成のための研究を開始しています。大規模災害の拡大や農村部を中心とした人口減少を背景に、文化をどのように継承し、未来を創造していくのかを課題とした研究です。専門家、地域の人々と連携し、歴史資料を未来に繋いでいきます。神戸大学は1995年の阪神・淡路大震災による被災と復興の経験をもとに災害関連の研究を継続してきました。ここでは災害などの外的リスクに対応した地域社会の構築のために成果を上げている研究プロジェクトを2つ紹介します。未来世紀都市学研究アライアンス連 携奥村 弘 おくむら ひろし大学院人文学研究科教授。日本近代史を専門とする。2018年に人文学研究科長に就任。2019年読売新聞社、第13回読売あをによし賞受賞他。道場「未来社会創造研究会」Well-being研究拠点地域協働型防災・減災連携拠点都市レジリエンス学自然科学保健学部門人文社会科学部門アセスメント部門マネジメント・ガバナンス部門国際協力部門地域行政研究機関企業マスコミ社会実装・社会貢献33Project and Strategy

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