神戸大学 統合報告書 2020
49/72

神戸大学では、「神戸大学の学術研究に係る行動規範」(以下、行動規範)を定め、研究者に対しては、学術研究の自由と研究者の自治が保証される必要があることを謳うとともに、研究者自身の倫理的な自律を求めています。行動規範では、神戸大学において学術研究に携わる全ての者は、法令を遵守すべきことはもちろん、以下に定められた行動規範の遵守についても、厳しく自律することを求めています。■1.学術研究における不正行為の防止研究者は、自らの研究活動のあらゆる局面において、捏造、改ざん、盗用などの不正行為(ミスコンダクト)を行わないことはもとより、データ・資料の適切な取扱いと管理・保存を徹底し、不正行為の発生を未然に防止するよう研究・教育環境の整備に努めなければならない。■2.研究成果の発表の在り方研究者は、発表するデータの信頼性の確保に向けて最善の努力を払うとともに、他の研究者の研究成果やオリジナリティーを尊重して公正かつ適切な引用を行うことを基本姿勢としなければならない。また、学術論文等の発表に際しては、オーサーシップや既発表類似データの再利用などについて、各研究組織・研究分野・学術誌ごとにある固有の慣例・ルールに則って細心の注意を払い、著者全員の十分な了解のもとに行うものとする。■3.研究費の適正な使用研究者は、研究の実施、外部資金を含む研究費の使用に当たっては、研究助成(補助、委託)目的等を最大限に尊重するとともに、各研究費ごとに定められた助成(補助、委託)条件や使用ルール等を遵守しなければならない。■4.環境・安全への配慮、生命倫理の尊重研究者は、研究実施上、環境・安全に対して有害となる可能性のあるもの(放射線、放射性同位元素、遺伝子組換え生物、外来生物、核燃料物質、劇毒物、環境汚染物質等)取り扱う場合には、関連する法令、本学規則、関連省庁や学会等の指針(ガイドライン)等を遵守し、必要に応じて学内の委員会での承認を受けるとともに、特にヒトや動物を対象とした研究においては生命倫理を最大限に尊重しなければならない。学術研究に係る不正行為の防止神戸大学の学術研究に係る行動規範(抜粋)■5.研究成果・研究材料の共有、守秘義務の遵守、個人情報の保護研究者は、自らの公表済みの研究成果並びに研究材料を広く研究者コミュニティーに開放し、他の研究者が必要に応じて利用できるよう努めなければならない。一方で、協力研究契約や知的財産権に係るものに関しては、所定の守秘義務を遵守するとともに、他の研究者に未発表研究成果、特に論文や研究費の審査の過程で知り得たものについては、守秘義務を厳密に遵守しなければならない。さらに、研究の過程で入手した他者の個人情報の保護に努め適正な取扱いを行うものとする。■6.差別やハラスメントの排除研究者は、研究活動のあらゆる局面において、各個人の人格と自由を尊重し、属性や思想信条による差別を行わない。また、研究上の優位な立場や権限を利用して、その指示・指導等を受けるものに不利益を与えるような言動をとらない。■7.利益相反の適切なマネジメント研究者は、自らの研究行動に当たって、利益相反や責務相反の発生に十分な注意を払い、かかる状況が発生する場合には、情報公開を行って適切なマネジメントを行うものとする。■8.研究指導者の責務研究指導者は、研究グループ内における研究データ・資料の適切な取扱いと管理・保存を責任をもって行うとともに、研究グループ内の研究者が各自の能力を十分に発揮できるような研究環境の整備に努め、各研究者の貢献度の客観的評価を通じて公正なグループ運営を行うものとする。また、研究グループ内の研究者全員に本行動規範の内容を周知徹底し、規範を逸脱することのないように最善の配慮を払わなければならない。不正防止向47Finance and Management

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る