持続可能開発目標(SDGs)価値創造取組 持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。 神戸大学においても、SDGsの達成のため果たすべき役割を再認識し、これまでの文理融合、新学術領域の開拓等における成果を活かしつつ、全学の広い分野においてSDGsを目指した取り組みを推進しています。そのなかの一部事例を紹介します。 また、同センターでは、アジアやオーストラリア、フランス、米国にある計14の膜研究センター、機関と研究協力協定を締結しており、海外の膜センターや膜工学を専門とする研究グループとの交換留学により若手人材の育成を行うとともに、研究成果の国際発信、海外の最先端膜研究の情報収集を積極的に展開しています。浄水膜ろ過によるおいしい水、安全な水の確保河川水水道水水源には、濁質、臭気成分、病原菌などが含まれ、そのままでは飲料に適していません生物接触ろ過原水を前処理することで、臭気成分など溶解成分を除去し、かつ、膜ろ過しやすい水にします精密ろ過孔径0.1ミクロン以下の膜でろ過することにより、濁質、病原菌を完全に除去しておいしい安全な水を提供します飲料水おいしい水安全な水三次元蛍光分析液クロー有機炭素検出器最新の溶存有機物分析装置による膜目詰まり原因物質の解析精密ろ過膜(MF膜)けることができません。膜がファウリングを起こすとろ過水量が低下し、その結果、必要な処理水量が得られなくなり、膜の洗浄または交換の必要性が生じます。神戸大学先端膜工学研究センターでは、ファウリングの予測や効果的な洗浄方法の開発など、膜プロセスの安定運転に寄与する研究に取り組んでおり、それら研究成果は浄水処理プラントの運転に活用されています。安全な水の確保は目標6に掲げられています。浄水処理(飲用水)分野において、膜ろ過法は確実に良質な水が得られることから我が国においても採用が増えており、現在約900ヶ所の浄水場で採用されています。一方、膜ろ過法では微細孔により濁質が除去されるため、膜の目詰まり(ファウリング)は避60
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