神戸大学 統合報告書 2020
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 神戸大学は2022年に創立120周年を迎えます。それを記念して、国際社会、地域社会の中で担うべき使命と役割に鑑み、「新しい価値を創造し、グローバル社会において指導的な立場で活躍する人間性豊かな人材」を育成する環境を整えます。また、創立120周年を「価値創造」への新たな出発と位置づけ、神戸大学で学び研究する学生に高度で豊富な研鑽と経験の場を提供していきます。 私は2015年から学長に就任し、「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」というビジョンを掲げました。このキーポイントは「研究大学」であり、大学の使命は知識の伝承(教育)と、知識の創出(研究)だと思っております。大学での教育とは、研究がバックグラウンドにあって、そういった臨場感の中で学ぶことが肝だと考え、学生を一番に考えた活動を展開してきました。 学長としての任期が今年度で終わります。残りの任期では、新型コロナウイルス感染症に対応した大学教育をどうすれば最適化できるのかを考えていきます。また次期学長へバトンを渡すために、法人化して第4期目の中期目標期間のスタートとなる2022年度に向けての準備を進めております。 この統合報告書を契機として、ステークホルダーの皆様との対話を深め、フィードバックを頂戴することで、教育研究活動の一層の深化と加速を図って参りますので、神戸大学の統合報告書に対して忌憚のないご意見をいただきたいと考えております。 今後とも神戸大学へのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。武田 廣 たけだ ひろし1949年愛媛県生まれ。1978年に東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程博士課程を修了し、東京大学理学部助手・助教授を経て1989年に理学部教授として神戸大学に赴任。以後、1998年に総合情報処理センター長、2003年に理学部長、2007年に附属図書館長、2009年に理事・副学長を経て2015年4月より神戸大学長に就任。専門は高エネルギー物理学(素粒子実験物理学)。1978年から6年間、電子シンクロトロン研究所(DESY)でJADE実験に従事し、1984年から5年間、欧州原子核研究機構(CERN)でOPAL実験に従事。これからの神戸大学07President Message

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