多文化状況や文化摩擦をめぐる現代的課題の解決に向けて国境を越えるコミュニケーションを駆使できるリーダーシップを育成するという本学科の教育目標を達成するため、文化、社会、コミュニケーションというキー・タームを軸に、以下の3つの教育研究分野を置いています。「グローバル文化形成」では、今日の多様な文化と価値観が、いかにして形成され、また変容してきたのかを正確に把握し、我が国との比較も交えた異文化理解を進めるための教育研究を行います。「グローバル社会動態」では、情報・資本・人・モノの活発な移動とともに社会が急速にグローバル化している中、現代世界が直面する諸課題の解決策を模索し発信するための教育研究を行います。「グローバル・コミュニケーション」では、言語によるコミュニケーションの可能性と問題点や、ICTを用いた多彩な情報処理の方法について教育研究を行います。国際人間科学部Faculty of Global Human Sciences理系と文系の垣根を超えて気候変動、生物多様性の喪失、新興感染症の発生や拡大など、私たちは様々な環境問題に直面しています。これらの問題を解決するには、どんなことを調べて、どんな対策をとればいいのでしょうか。言葉を変えると、環境問題に取り組むために必要な学問分野って何でしょうか。たとえば、私の専門分野に関係するところで、生物多様性の喪失について考えてみましょう。私は環境中のDNA情報を用いて野生生物のモニタリングを正確かつ迅速に行う手法の開発を行っています。この「環境DNA分析」と呼ばれる手法はここ10年ほどの間に著しく発展しており、神戸大学はこの分野をリードする存在です。この手法を用いることで、生物多様性の現状を把握することができます。しかし、問題を解決に導くためには、たとえば多様性の喪失が経済的にどれほどの損失につながるのかといった分析や、問題の進行を食い止めるための法整備などが必要になります。このように、問題を発掘し、状況を正しく把握し、対策を打つといった一連の流れを実行するためには、文理あわせた様々な分野が協同しなければなりません。国際人間科学部の環境共生学科には理系も文系も含めた様々な研究教育分野の教員が揃っており、種々の環境問題についてその分析から解決のための道筋までを学び研究することができます。環境問題に本気で取り組んでみたいという志を持った皆さんをお待ちしています。国際人間科学部 准教授源 利文多文化状況や文化摩擦をめぐる課題に取り組む人材を養成しますグローバル文化学科人々の多様性と異質性を尊重した持続可能なグローバル共生社会の実現を目指し、人間の多様な発達と、発達を支えるコミュニティに関する教育研究を行うことにより、人間がより良く生きるとともに、それを可能にする多様なコミュニティを形成するための能力を身に付けた人材を養成します。この目的を踏まえ、本学科は、人間の心身の発達や人間の最も本質的な特性である表現や行動(アートやスポーツ)の発達など、人間発達の全体像を把握するための基礎的な専門教育を行う「発達基礎」、人間の表現活動やスポーツ行動をリソースとしたコミュニティ形成に関する理論的・実践的な専門教育を行う「コミュニティ形成」の2つの教育研究分野を置いています。本学科の専門教育の特色は、人間発達を多面的に捉える学際性と総合性とともに、国内外でのフィールド学習や現場実践、スタディー・ツアーを採り入れたアクションリサーチ型の実践的教育を推進する点にあります。人間の発達とそれを支えるコミュニティの実現に取り組む人材を養成します発達コミュニティ学科人間と環境の調和に根ざす持続可能なグローバル共生社会の実現を目指し、身近な環境から地球環境に至る幅広い環境について、様々な問題を発見・立論し、解決に導くために必要な能力を身に付けた人材を養成します。この目的を踏まえ、本学科は、環境の成り立ちを解析し、課題を発見・立論するために必要な基礎科学の専門教育を行う「環境基礎科学」、環境改善のための技術・システム、政府・自治体の政策、教育と市民参加、企業・NPO・NGO等の活動に関する専門教育を行う「環境形成科学」という2つの教育研究分野を置いています。本学科の専門教育は、高度の学術を重視すると同時に、国内外でのフィールドワークと多彩な調査、最先端の科学実験などをともなう活動的な教育研究を進め、さらに、多様な環境改善プロジェクトやNPO・NGO等の環境関連活動との接点を持つことによって、実践的な能力の育成を目指す点を特徴としています。グローバル共生社会を支える環境を創り出す文理融合型人材を養成します 環境共生学科教員メッセージ国際人間科学部Kobe University24
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