神戸大学 大学案内
45/72

最新船舶ではメカトロニクス化のみならず、船体の巨大化、船体構造の複雑化、情報技術の集約化などの急速な技術革新により、海上輸送総合システムとしての運用・管理が求められています。また、地球規模での効率的でスピーディな輸送システムのみならず、地球環境にまで配慮した、省エネ・新エネ技術、エコマテリアル創製技術、再生可能エネルギー利用技術などの開発も必要です。マリンエンジニアリングは、これらの科学技術を研究開発の対象とした総合工学です。マリンエンジニアリング学科は他の理工系学部・学科と大きく異なり、基本的な工学を全般的に学ぶところです。つまり、機械工学としての材料力学、工業熱力学、流体力学などを学ぶとともに、電気・電子工学としての電気回路、電気機器、制御理論などを学びます。これらは、大型プラントや巨大船舶を前にしても、それらの全体が見渡せるような、「部分と全体」が分かるエンジニアを養成するための基礎より専門的な環境科学論としての大気環境学や環境修復論、自然エネルギー工学とともに、熱力学や量子論を含む物理化学、基礎工学としての電気電子工学と制御理論、材料力学及び流体力学、現代的な研究手段としての数値計算科学とその応用としての地球流体力学を学びます。これらの科目を基礎にして、将来におけるスーパーコンピュータによる大規模計算を念頭において、津波含む、海洋と大型浮体構造の相互作用にかかわる力学を学びます。そして、超伝道工学や水素エネルギー工学を、機能性無機材料や機能性有機材料とともに学びます。さらに、マクロな衛星海洋学や環境シミュレーション学からミクロな環境分析化学や海洋微生物学までを広く学びます。また、サブアトミック物理化学や粒子ビーム応用分析学をベースにして、環境放射能動態学や放射線計測学を学びます。このような専門知識をもち、かつ、地球環境科学についてしっかりと基礎科学を身に付けた人材を育てます。なお、本学科では船舶実習は履修できません。になっています。2学年前期には船舶実習1(1ヶ月間の乗船実習/必修)があり、実際のプラントに接する機会を設けています。「機関マネジメントコース」は、船舶の海事技術者(機関長や機関士)を目指す人のために設置されています。推進工学、燃料燃焼及び潤滑論などの船舶機関管理のための科目を学びます。3学年後期と4学年後期には船舶実習2・3(選択)があり、実際の機関に触れるなかで、船舶への理解を深めます。また、機関長や機関士の業務に就いた後、将来は陸上の勤務となりますので、海上航海の経験を生かしてマネジメントを行う人材を養成するために、海事法規についても学びます。「メカトロニクスコース」では、材料力学や流体力学などのさらに進んだ科目を学ぶとともに、エネルギープラント工学、電子回路、パワーエレクトロニクス、電気電子材料学、超伝導工学、浮体応用安全科学、浮体運動力学、数値シミュレーション工学を学びます。基本的な工学に習熟したゼネラリストとスペシャリストの双方の特質を持ち合わせたエンジニアの育成を目指しています。なお、このコースでは、船舶実習2・3は履修できません。学部の特色理工学をベースに社会科学分野を含む幅の広い専門科目を開講しています。陸からと海からの双方の視点で諸問題にアプローチするので、海事科学分野はもちろんのこと、あらゆる産業分野で求められている専門知識を身につけることが出来ます。12総トン数449トンの練習船「深江丸」や、大型クルーザーヨット「クライナーベルク」、船舶運航シミュレータ、造波水槽、タンデム静電加速器等の他にない大型実験施設に直に触れるカリキュラムを用意しています。3英語能力を高めるために、夏季休業期間中の海外研修プログラム(受講者は学業成績や英語能力に基づいて選考)、TOEIC講習会、少人数による習熟度別クラスの導入など学部独自の英語教育プログラムを用意しています。機関マネジメントコース メカトロニクスコースマリンエンジニアリング学科かけがえのない経験が得られる学部学生生活で乗船を経験できる学部についてどうお考えですか?コースにより、長期乗船或いは学内船舶での短期乗船など、方法や期間には違いがあるものの、貴重な経験を得られます。また学部の特色として、1年次中に専門的な内容を学びつつ、2年次開始時までに専攻分野を選択できる為、志望を吟味できる期間が1年も多く与えられます。さらに、国際的な視野を養う目的で、学部では海外の海事大学とも連携を持ち、夏期海外研修や外国船舶乗船などに応募でき、同志である他国の学生と交流できる機会も充実しています。このように海事科学部では、学生一人一人がかけがえのない経験を獲得できるはずです。学生メッセージグローバル輸送科学科ロジスティクスコース4年司馬 穎無限の可能性を引き出してくれる学部海事科学部では、理工学分野から社会科学分野まで、非常に多岐にわたる学問分野を履修することが可能です。多くの場合、入学した時点で専攻分野は決まっていますが、海事科学部では入学後も「自分が学びたい分野は何か」という可能性を模索でき、自分が本当に学びたいコースに進むことができます。私自身、当初は理系志向でしたが、次第に経済学に興味を持ち、経営戦略・マーケティング等を学び、現在は総合商社で勤務しています。皆さんも無限の可能性を秘めたこの魅力ある海事科学部という舞台で自分と向き合い、そして新たな可能性を見つけてみませんか?卒業生メッセージグローバル輸送科学科ロジスティクスコース平成30年3月卒三菱商事株式会社井口 博満「地球上の物質循環」と「大陸と大陸とを繋ぐグローバル輸送」の全体を対象とした総合科学を展開しています理工学をベースにして、社会科学分野との連携を図りながら、ユニークな教育・研究を展開しています。地球にやさしいグローバル物流システムの構築、船舶や海洋構造物の技術革新、海洋環境の保全と自然エネルギーの開発、安全・安心な社会環境の整備、これらに貢献できる人材を養成します。海事科学部Kobe University43

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る