神戸大学 大学案内
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大学長インタビュー特集国際性とチャレンジ精神が自らの可能性を広げる―神戸大学の特色について教えてください。文系・理系の枠にとらわれず、先端研究を推進する総合大学であることです。本学のルーツとされる社会科学系の学部は、「東の一橋、西の神戸」と称される伝統と実績を備えた名門です。そこに、ユニークな研究を実践する自然科学系の学部が加わり、10の学部と15の研究科を擁する総合大学へと発展しました。各分野のトップクラスの先生の講義を受講し、幅広い学識と創造性を深めることができます。また、静かな山間から海を臨むロケーション、アカデミックな雰囲気あふれるキャンパスに学生も先生も愛着を感じています。学ぶ環境として申し分なく、これも神戸大学の魅力のひとつといえるでしょう。―「文理融合」と「分野横断」の教育・研究の取組について教えてください。ひとたび実社会に出れば、「文系だから統計のことはわかりません」「理系だから人文分野は不得手です」という主張は通用しません。第四次産業革命が進行する中、数学、統計学、情報科学を基礎とし、AI、ビッグデータ、IoTを活用して諸問題を解決する「データサイエンス」のニーズは高まり続けています。2017(平成29)年12月、文理融合の推進を目的とする「数理・データサイエンスセンター」を立ち上げました。学部の垣根を超えた学生が、数理・データサイエンスの基礎とリテラシーを学んでいます。「科学技術イノベーション研究科」は、2016(平成28)年4月に日本初の文理融合型の独立大学院(修士課程)としてスタートし、2018(平成30)年4月には博士課程後期課程を設置しました。優れた技術をもつ理系の先生と、経営分野に秀でた文系の先生によるコラボレーションが、日本の産業が弱いとされるイノベーションに強い人材の輩出を可能にすると考えたことがきっかけで誕生したものです。4つの自然科学分野を基軸にアントレプレナーシップ分野の講義も展開し、戦略的企業家精神を備えた理系の学生を育成しています。既に5社のベンチャー企業が発足しました。ベンチャー企業がもたらす利益が大学に還元されると、教育と研究を推進する好循環が生まれ、さらに“自立した大学”の第一歩につながるものと期待しています。―国際都市・神戸に立地する大学として、大学創設以来、「国際性」も特色となっています。「グローバル・ハブ・キャンパス」の機能を高めるために、各部局で特徴のあるグローバル教育システムを開設しています。年間の講義は「2学期クォーター制」を採用し、前期と後期それぞれを半分に分けることで、学生が留学や海外教育プログラムに参加しやすいようにしています。2017(平成29)年4月に開設された国際人間科学部では、海外留学や研修への参加を必修とする実践型教育プログラム「グローバル・スタディーズ・プログラム」を実施しています。異国の地ならではの見聞を広める一方で、文化の摩擦や差別を感じることもあるでしょう。新型コロナウイルスの流行は、グローバリゼーションにはリスクを伴うことを知る機会になりました。経験のすべてを糧にし、課題意識をもちながら国際性を身につけていただきたいと思います。また、本学はEU(欧州連合)の首都であるベルギーのブリュッセルにオフィスを設置した最初の大学です。独自に開発した学位プログラム「EUエキスパート人材養成プログラム(KUPES*)」により、国際文化・国際人間科学・法・経済の3学部・研究科の学生が、EUに関してそれぞれの専門分野と学際的観点から多面的かつ体系的に学んでいます。*Kobe University Programme for European Studies地球的課題を解決する力を培う神戸大学の文理融合の学び1902(明治35)年に開学し、117年の歴史を刻んできた神戸大学。国際性豊かで、幅広い分野にまたがる教育研究組織を擁するキャンパスで学ぶ魅力を、武田廣学長が語ります。Kobe University4

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