本学には様々なリカレント教育プログラムがあり、それぞれが結びつくことで、さらなる新しい価値が生み出せると信じています。今後はこれらの学内リソースをより効果的に活用すると同時に、広報活動も重要だと考えています。また、新たに文部科学省の「DX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業」に採択され、就業者へのデータサイエンスのリスキリングにも着手しました。国立大学として国からの資金的援助に頼るのみならず、自走する教育プログラムを充実化させ、大学内外に定着させられるようにアップデートしていきたいと考えています。現在、生涯における就業期間の長期化や、求められるスキルの高度化から、リカレント教育に対する社会的要請はさらに高まっています。本学では、これまで就業者への再教育に力を入れており、昨年からは未就業者への就労機会創出を目的としたリカレント教育にも取り組み始めました。リカレント教育に関して、総合研究大学である本学が果たすべき役割は2つ。研究を通して最先端の知を創造すること、そして得た知を社会に広く還元していくことです。本学で学ぶ大学院生のうち、4分の1が社会人で構成されており、研究を通じて社会人の教育に大きく貢献しています。研究によって生まれた知を、高度な専門知や、普遍的な基礎知識として、教育を通して社会に還元します。経営学研究科のMBAは既に30年以上の伝統を持ち、工学研究科や科学技術イノベーション研究科は社会人に最先端研究の機会を与えてきました。また医学研究科と経営学研究科との連携による医療経営プログラムも成果を収めています。なかでも特徴的なプログラムとして「トップローヤーズ・プログラム」「食農ビジネスキャリア形成プログラム」があります。法学研究科による「トップローヤーズ・プログラム」は、弁護士を対象とした、著名弁護士と教員とが連携して教授し、高度化する専門的知識を習得するためのPh.D.プログラム。「食農ビジネスキャリア形成プログラム」は、地域に根差した農学研究と実習の実績をもとに、食と農に関する基礎的な知識の学び直し、食農分野での就業支援という位置づけで開講しています。学内の知の融合でリカレント教育のさらなる拡充へ複雑化する社会要請に総合大学としてアプローチ19創造知を社会に還元するリカレント教育学長補佐[DX・リカレント教育担当](経営学研究科) 南 知惠子教授TOPICS「人材」を創る
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