神戸大学 統合報告書 2022
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TOPICS■実践経営学研究科が入る本館の前庭にある石碑。「わが国の経営学ここに生まれる」と刻まれている。本学のMBAプログラムの最大の特徴は、「働きながら学ぶ(BJL: By the Job Learning)」ことです。国内・海外のMBAプログラムの多くが、一定期間仕事を休職して受講するのに対し、本学では仕事を続けることを一つの条件としています。MBAでの学びを実際の現場に還元し、課題解決につなげるためです。より良いマネジメントには「Art(ビジョン)」「Science(理論)」「Craft(経験)」の3つのバランスが大切だと言われています(右下図「マネジメントの三角形」参照)。仕事を休職し理論だけを学んでも、現場に活かすことは困難です。受講期間中も仕事を続けることで、仕事と学びを分断せずに、両方の相乗効果による生きた学びを得られると考えています。新たな試みとして、アントレプレナー教育、スタートアップ支援を拡充する準備を進めています。日本政府が2022年を「スタートアップ創出元年」としたことにも表れているように、社会の中で新規事業創発のニーズが高まっています。本学では、これまで30年以上実施してきたMBAプログラムを活かし、事業の創生期だけでなく、成長期、成熟期などより長い視点で支援を行うことが可能です。またMBA Cafe(同窓会組織)のように、本学MBAの修了生と交流できる場も用意しており、多様な職種の人と連携した幅広い支援も行えます。スタートアップ時の支援だけでなく、総合的に関わることで企業のライフタイムバリューを最大化できると考えています。現在「リカレント教育」の需要は高まっていますが、単に教養を身につけるだけではなく、仕事と学びの相乗効果を高めていく※MBAはMaster of Business Administration(経営学修士)の略称[引用]ヘンリー・ミンツバーグ 『マネジャーの実像』,P.15(2011年/日経BP社)ことが大切です。本学MBAプログラムにおいては、これまで培ってきた「経験」を重視した取り組みを発展させることで、さらなる学びを社会に還元することを目指しています。▼マネジメントの三角形ビジョン・創造的発想分析・体系的データScience現場経験を重視したMBAプログラムこれまでの実践的MBAを活かしたリカレント教育の拡充に向けてマネジメントArt経験・現実に即した学習Craft20「神戸大学MBA」ー働きながら学ぶ最先端の経営学ー経営学研究科 原田 勉教授

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