神戸大学広報誌『風』 Vol.18
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していただきました。不定期の連載に発展して、私が「鬼滅の刃」について書いていることを広く知ってもらえるようになり、アニメ放映の第二期が始まってからは200万〜400万PVのアクセスをいただいています。記事にはコメント欄があり、多くの読者が書き込んでくれるので、全て拝見しています。もともとの神話の定義は「神を語るもの」ですが、神話ジャンルという文学の定義の中には英雄伝説が含まれます。国を救う、地域を救う、ある特定の団体を救う、子供を救うえることが共通認識になっているので、フィクションであってもヒーローが出てくる物語については、神話の一つとして研究される方はたくさんいらっしゃいます。ただし、神話と歴史を密接に結びつける立場の研究者と、そうでない研究者に分かれます。 神話の研究分野が非常に多岐にわたっていること自体が、現在の研究の特徴だと思います。例えば、社会学の視点から研究したり、思想史から研究したり、アニメや漫画、映画研究の面から神話を研究したり。いろいろなジャンルから神話の研究が進められて、結論が一つになったときはとてもスッキリします。伝説や神話に見られるもので、共通性があります。また、登場人物に親がいない子供が多いことも、英雄伝説における英雄の条件の一つと合致します。るのか、どこに救済を求めているのか、という疑問に対する答えに近づけると思います。もちろん、作品ごとに異なるテーマが設定されている 「「鬼鬼滅滅の刃」では鬼使って鬼を弱ら使せるのの縮せることができる、といったものです。自然界の物質や力を凝縮させて超自然的な力を作その時代の人々が何を希求していわけですが、それらの間に時代的な共通性を見出すことも可能です。人々が神話に求めるものは、何かしらの救いとか理想の形なのだと思います。自分がこうありたいとか、こういう風に救われたいとか。今、植物の神話を研究しています。これも体と関係があるのですが、ドイツの医学史研究所の研究をもとに、昔から「その植物を摂取すれば病気が治る」といった迷信のような考えとともに使われてきた薬草について、本当に薬用効果があり、かつ神話的な物語があるものをピックアップして研究しています。昔話と科学文献をつきあわせて、誤った服用を導かないよう科学的な正確性をキープしながら進めています。また、ポップカルチャーについては、    〝変化〟」と題する学術シンポジウム2022年2月27日に、「『ジョジョの奇妙な冒険』×『鬼滅の刃』における「神話的物語」の創生〜〝はじまり〟をもたらす出会いと出発から生まれるを、国際文化学研究推進センターの主催で開催します。両作品のファンの方も含め、一般の方にご参加いただければ嬉しいです。|現代のポップカルチャーを、は、一般的な姿勢なのですか?|「鬼滅の刃」の研究から、ご専門の神話・怪異研究にフィードバックの神話との共通点からわかることは?|現代人が創作した物語と、古来|現代人を読み解く作業なのですね。今後の研究活動については?人々は理想と救済のカタチを神話に求めている植先生が編者を務めた創造神話集『はじまりが見える世界の神話』(創元社)。画家・阿部海太氏の絵とともに、20人の専門家たちが世界各地の「世界のはじまり」を紹介している。りり出出すすこことは、古来のいい、、藤の花の毒をししかか鬼を倒せな物物質質化した武器でとといいう太陽の光をたたととえば、日輪刀モモチチーーフなのです。あありり、、それはまさにをを倒倒すすための条件がkaze Vol.1810と神い話っやた伝英承雄と伝同説列もに神研話究のす一るつこと考と語い含う考とででききるるものは?神話とポップカルチャーに人が求めるもの

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