船舶実習の授業は、新型コロナウイルスの感染対策を万全に行ったうえで開講されました。私が乗った実習では、まず乗船3週間前からの活動自粛と毎日2回の検温、乗船時の検温と問診票の提出がありました。また、講義は間隔を空けて座ることが義務付けられており、食堂にもパーテーションが設置され、食事中の私語は原則禁止でした。実習期間にも影響がありました。例えば、本来は2ヶ月間乗船するところを、1ヶ月間は自宅で座学をするという特別措置で、2ヶ月分の乗船履歴をつけてもらいました。乗船期間が短縮されたことで、普段の実習なら全員が一通りの体験をできる、というところも機会が回ってこないことがあり、積極的に参加する姿勢が大切だと感じました。また、当時、寄港した際の下船が、現地の住民の方々私たちは普段、年1回開催される学生フォーミュラ日本大会に向けて、フォーミュラカーと呼ばれる車両を設計、製作し走らせています。製作から車両の走行に至るまで学生が主体となって行うのはもちろん、企業スポンサー様にもご支援頂いており、企業の方との渉外交渉も自分たちで行っています。 昨年から、新型コロナウイルス感染対策により対面での活動が制限されたことで、車両の製作時間が大幅に減少してしまいました。ミーティングも基本的にはオンラインで行い、お互いの状況把握や密なコミュニケーションを確保することに苦労しました。 しかし、活動時間が制限されたことで、限られた時間を最大限効率よく使う必要があり、作業の効率化を進められた他、作業に対する集中力も上がりました。その結ポーランドでの生活様式、環境や文化について知りたいと思い決断した留学だったので、初めはオンラインにすることに抵抗がありました。しかし、留学するにはオンラインでの選択肢しか残されておらず、オンラインであっても異国との交流から得られることは必ずあると思い、積極的に進めました。近年は海外大学の授業をYouTubeなどで簡単に見ることができるので、そのような媒体で得られる知識とオンライン留学で得られる体験の差が気になっていました。でも実際は、現地に行ってもきっと同じように体験するだろう履修登録の難しさや、先生との自発的な連絡の必要性などを多く学ぶことができたので、とても良い経験になったと感じています。また留学しながら神戸大学の授業も受けられたことは、オンラインだからこそできたと思います。困難はもちろんありました。授業はポーランドの現地時の迷惑になることが想定され、活動が制約されており、一番のストレス発散が制限されていたことが大変でした。しかし、実習で乗船することの意味は大きく、実際にその機械や実物を見たり、船と出会ってよけたり、体験しないとわからないことがたくさんあります。船の業界は経験がものを言うところがあるので、経験を積むという意味でも実習はとても重要です。これから実習に参加される方には、実際の現場で得る情報のインプットや、知識のアウトプットができる稀有な機会を最大限に活用してほしいです。また、数ヶ月の船旅はキツいこともありますが、寄港地での下船が再開されたら、修学旅行みたいで楽しいこともあります。航海士、機関士としての最初の乗船履歴となるので、より充実した実習が再開できるよう望んでいます。果、学生フォーミュラ日本大会2021で、車両を走らせないオンライン審査での総合優勝を獲得することができました。困難なプロジェクトを乗り越えたことで、チームは大きく成長できたと思います。来年こそは、車両を走らせての動的種目も開催されると信じて、動的種目も合わせての総合優勝を目標に活動していきます。 プロジェクト発足からずっとコロナ禍の中での活動となった21年度プロジェクトは、イレギュラーなことばかりでした。この大変なプロジェクトを乗り越えたメンバーたちと総合優勝の喜びを分かち合うことができて、本当に嬉しく思います。弊チームの活動に対して個人スポンサー様や企業スポンサー様をはじめ、たくさんの方々にご支援ご声援をいただき、誠にありがとうございました。今後も弊チームを応援していただければ幸いです。間で行われるので、生活リズムが昼夜逆転して体調を崩すことは多かったですし、他国のほとんどの留学生が現地で学んでいるのを目にして、現地に行って学びたいという気持ちが受講ごとに増しました。しかし、私の場合は真夜中の日本で学んでいることを聞いて応援してくれる現地の先生方の言葉で粘ることができました。私が大切だと感じたことは、根気よく質問する姿勢です。分からないことを自身で解釈して落とし込むと危険だと感じることが多くありました。特に直接会って会話ができないので、食い違いが何度も繰り返され同じような内容の連絡をする場面が多くありました。そこで教授の返信が冷たくても、めげずに自分の疑問が解決するまで聞く忍耐力が必要だと強く感じました。オンライン留学をするか留学を諦めるかで迷っている方がいたら、確実にオンラインでも参加することをお勧めします。 19Shindai TOPICS 「新型コロナと神戸大学」神大トピックスKOBAYASHI MasaruMURATA KokiIKOMA Fumino Pearl練習船深江丸船橋からの景色コロナ禍の「深江丸」での船舶実習 ̶̶ 海事科学部グローバル輸送科学科4年小林 優活動制限下で成し遂げた総合優勝[学生フォーミュラチームFORTEK]̶̶工学部機械工学科3年村田 康貴ポーランド、ヤゲヴォ大学でのオンライン留学生活を終えて̶̶国際人間科学部グローバル文化学科3年生駒 芙美乃 ぱあるclassclubstudy abroad
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