神戸大学広報誌『風』 Vol.19
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機」、▽遠隔操作水中探査機(ROV、搭載カメラで海底を目視探査する)、▽反射法地震探査装置(エアガンによって地震波を発生させ、地中から戻ってきた振動を解析して地下構造を把握する)、▽海底電位差磁力計(海底で観測した電磁場データからカルデラ直下にあるマグマ溜まりなどの構造を把握)――など多岐にわたります。2022年4月には新練習船「海神丸」が就航しました。深江丸の約2倍の大きさで、大型観測機器を安全に海中に下ろすことができるAフレームと呼ばれるクレーンなど探査に役立つ装置を備えています。ROVに海底の岩石などの試料採取ができるロボットアームを備えるなど、観測機器の性能も向上しています。海底下の比較的浅い場所の地層を音波で調べるサブボトムプロファイラ(地層探査装置)が新たに搭載され、探査のスピードアップも図れそうです。また、観測中に船体を静止させる機能が向上したので、これまでは海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査船に依頼していた海底下のコアリング調査を自前で行えるようになります。私の研究の重要な柱が、コアリング調査で採取した試料(コア)の分析を基にした火砕流の構造や流れ方の解明ですので、海神丸の新機能によって研究の幅が広がると期待しています。海域火砕流の流れ方を解明するため、分析に力を入れていきたいですね。高校時代は宇宙に関心があったのp i ct者が多い火山学を女性でもできるんだで、神戸大学理学部地球惑星科学科に進学しました。ところが、入学後に受けた火山の地層を調べる実習授業で、実際に手を触れることができる火山の研究に興味がシフトしました。鈴木桂子先生(現客員教授)が魅力的な方で、山歩きも必要になるため男性研究と感じたことが印象的でした。それで、卒論は平安時代の886年に噴火した伊豆諸島新島の火砕流の研究にしました。以来、火砕流研究を続けています。 これから理系研究者を目指す高校生もいると思います。私自身は研究者にあこがれてはいましたが、なれるとは思っていませんでした。しかし、卒論研究でデータの取り方や分析方法を学び、「面白い。続けたい」と強く思いました。企業に就職した方が生活の心配は少ないかもしれませんが、楽しい方を優先してもいいのではないでしょうか。o新多機能練習船「海神丸」が4月就航!海技士養成・海底探査・災害救援に活躍 世界的な工業デザイナーである奥山清行氏率いるKEN OKUYAMA DESIGNが船体デザインを手がけた新練習船「海神丸」は2022年3月、神戸大学に引き渡され、4月から本格的な運航が始まった。35年間活躍した先代の「深江丸」の約2倍の総トン数を持ち、男女別の居室など女性海技士の養成にも対応する練習船機能、音響探査を妨げない低騒音や操船安定性を確保し、最新鋭の観測機器の機能を最大限に発揮する探査船機能に加え、被災地に救援物資や飲料水を運ぶ被災地支援機能を備える。神戸大学が誇る多機能練習船として、教育・研究・社会貢献に活躍が期待されている。新船で研究力向上を宇宙から火山研究へ共創と協働全長:約59.60m、幅:11.00m、深さ(船楼甲板):6.70m、総トン数:約892t、最大搭載人員:65名19

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