神戸大学広報誌『風』 Vol.19
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AT×Tech」(食×技術)による地域神戸市中央区三宮町の繁華街で、「Eの活性化と持続可能なサービス展開を目指します。屋外の快適な空間で飲食を楽しんでもらい、過度な密を避けながらまちの賑わいを実現していくのが狙いです。人の疎・密を計測する技術と「食」を組み合わせるプロジェクトです。具体的には、電柱に設置している赤× × に設置するテーブルやベンチまで「食の外線センサーで路上の混雑具合を把握し、神戸市や商店街と協力して歩道などデリバリー」を行います。スマートフォンのアプリで空いている場所、好みの料理を検索し、近くの飲食店から届けてもらう仕組みです。実証実験では料理の配達を担当するスタッフが目視で飲食場所のベンチやテーブルの不具合、急病人発生などのアクシデントに注意し、より安全・快適な空間を確保します。 センサーは関西電力が設置したものでプライバシーは侵害しません。三宮の地下街の人流予測に私たちと取り組んだ日建設計総合研究所、三宮センター街1丁目商店街も参加します。神戸大学側は経営学研究科の森村文一准教授、外食企業の役員でもある真鍋邦大・元農学研究科学術研究員(現龍谷大学特任准教授)も協力し、ユーザーニーズなどの調査を担当してもらいます。 私の専門はシステム工学で、工場や飲食店、農業現場などの作業手順や配置をどのように改善したら効率が向上するのか、「最適化手法」などを使って研究・提案してきました。センサー技術が向上して広い空間の人流データを取得できるようになり、地下街や繁華街など、まちづくり分野にも応用できるようになっています。私自身、地下街の店舗レイアウト計画に取り組んだこともあります。 私はまちづくりの専門家ではありませんが、神戸発のイベント「078KOBE」への協力、スタジアムの観客誘導による混雑緩和などの研究にも企業や自治体と連携して取り組んできました。システム工学の立場で、人の行動変容を起こし、利用者の回遊性を高める方法の研究に興味を持っています。制限し、まちの賑わいや飲食店の経営Withコロナ時代に安心安全な都市生活を実現する方法はないのか。シスは、自治体や企業と協力し、最新のIT(情報技術)を活用して人々の行動変容を促す実証実験を進めている。新型コロナ感染症は人と人の交流をなどに大きな影響を与えてきた。テム情報学研究科の藤井信忠准教授都市政策市民ニーズシステム情報学情報×経営学農学society5.0時代のWithコロナ社会に対応した神戸都心・三宮地区における ICTエリアマネジメントに関する研究[kaze]120th ANNIVERSARY20神戸大学工学部助手、東京大学人工物工学研究センター客員准教授、神戸大学大学院工学研究科准教授などを経て、2010年4月から現職。ウォーカブルシティの推進過度な密を避けながら街の持続可能な賑わいの創出を図るための大学院システム情報学研究科 システム科学専攻 准教授屋外での飲食需要藤井 信忠FUJII NobutadaWithコロナ時代に安心安全な賑わいをIT活用で「密」を避ける食のデリバリー05

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