神戸大学広報誌『風』 Vol.19
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プログラムに参加したり、他学部の授業も履修できます。でも、制限があるので、残念ながら履修できないものもあります。私は第二外国語としてロシア語を履修していたんですが、一部の授業は時間が空いていても履修できませんでした。私以外にも、もっといろいろ受講したいと言っている学生がいました。学長 私自身は、学ぼうと思えばいつでも学べる環境、時空間の制約のない教育体制にしたいと考えてきました。まだまだ制約はありますが、変革を進めています。ハイブリッド教育やオンライン、オンデマンドが可能な状況なので、学ぼうという意欲のある人にはいつでもどこでも学んでもらえるようにしたいです。いずれはメタバースの世界で人を配置して実習をするようなプログラムも考えています。語学については、1年生の時から専攻する領域に即した英語教育に変える方が良いと考えています。たとえば、農学部なら農学に役立つ英語教育です。そこには学部の先生がコミットしていく方がいいでしょう。専門書の英語教育を早い時期から行った方が役立ちます。竹内さんはそう思いませんか?竹内 思います。英語で論文を書けるようになることを目標とする授業は楽しかったです。学長 そういう実用性の高い語学の授業をもっと増やし、研究領域の役に立つような英語教育に変えていきたいと思います。沼 神戸大学に入って英語を使う機会が多く上達しました。英語の講義はアクティブラーニングで、起業をする設定でプレゼンテーションを行うなど楽しかったです。医学部ESS部で英語論文を読み発表する競技に参加したり、留学生バディという大学制度に参加して海外の友達を作ったり積極的に取り組みました。研究室では約半数が留学生で日常的に英語を話しています。学長 始めてからも、必要に迫られて英語の勉強を続けていました。いまの時代、学生のうちにしっかりした語学力を身につけておいた方が良いでしょう。単に将来の仕事の面だけでなく、自分の世界が広がるし、海外でも人とのつながりができますからね。沼さんはMD‒PhDコース(医学部医学科4〜5年時に休学し、大学院に飛び入学して博士号取得を目指す)の第一号ですね。このコースを作ったのは、基礎医学に進む学生が少なくなってきたからなんです。沼 ムや環境は充実していますが、研究する学生が少ないままです。逆に学生からみると研究をしているとチャンスに恵まれます。学会発表の際に大学からの経済的支援をいただき、海外の研究室に短期留学をする人もいます。私は大学間連携を利用しワシントン大学との共同研究を行っています。基礎医学私自身、医師免許を取って働き医学部は研究するためのシステ研究に憧れている方に神戸大学医学部はお勧めです。私は精神活動、つまりどのように  考えたり感情を持ったりできるのか、に興味があり薬理学分野の古屋敷研究室で心理的ストレスによる感情の変化や認知機能の低下が生じる脳内メカニズムを研究しています。勉強するうちに精神医学においては基礎研究が臨床に生かせていないと感じ、将来は研究と臨床の両方に携わり架け橋になれたらと考えています。基礎研究に進む学生を増やす[kaze]120th ANNIVERSARY06

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