神戸大学 法学部案内 2022
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 3年生からは、各自の進路目標に応じた法学・政治学教育を提供するために設けたコース(司法コース、企業・行政コース、政治・国際コース)を選択してもらいます。各コースの履修科目は、それぞれの進路希望に応じて必要十分なものとなるように配慮しています(【表Ⅱ】)。 【表Ⅱ】 3つのコースの概要(将来の進路)法曹(法科大学院の既修者コース進学)、法学研究者、企業法務(履修スタイル)基本的な法律科目を中心に履修(将来の進路)国家公務員や地方公務員、または企業(履修スタイル)基本的な法律科目を中心に、基礎法、国際法、政治・国際関係論の科目を幅広く履修(将来の進路)国際公務員、外交官、ジャーナリスト、政治家、企業、NPO、または大学院進学(履修スタイル)政治・国際関係論科目を中心に、法律科目、基礎法、国際法については幅広く履修司法コース企業・行政コース政治・国際コース3・4年次演習(政治外交史演習)簑原俊洋 教授 少人数制を採っている本学部の政治学科目の演習(ゼミ)は、きっと皆さんにとって大学生活における一つの支柱となるでしょう。大講義と比べ、教員との距離も格段に近いですし、様々な課題をこなすにあたってゼミの仲間たちと過ごす時間も必然的に増えるため、「生涯の友」を得る学生も少なくありません。くわえて、ほとんどのゼミでOB/OGたちとの充実したネットワークが存在するので、就職活動においても大変有利となります。このように様々な機会と経験が与えられる二年間にも及ぶ「知の道場」であり、所属ゼミに対して誇りと帰属意識を有する学生・卒業生が多くいるのはなんら不思議ではありません。私が担当する政治外交史演習のゼミは、「知の泉」である古典的名著を紐解きつつ、自らの考え方を整理した上で効果的なプレゼンを行えるスキルを養うゼミを目指しています。歴史は韻を踏むがゆえに「歴史の有用性」を前提としながら、「歴史の教訓」を確実に学び取り、現在の国際政治・安全保障情勢を鋭く分析しながら、歴史学の応用を通じて国際政治の展望と日本の対応について掘り下げて検討します。3・4年次演習(民事訴訟法演習)八田卓也 教授 2012年度より、3・4年次演習を担当しています。科目は、民事訴訟法です。私の演習では、従来から論文を精読することをテーマとしてきましたが、最近では、ディベートも取り入れるようになりました。論文精読では、民事訴訟法学史上エポックメイキングとなった論文等を掘り下げて読み込みます。法律ディベートでは、私が事前に設定した事案を前提に、原告代理人・被告代理人役の学生がそれぞれ自己に有利な主張を展開し、それを聞いた裁判官役の学生がいずれの主張を採用するか、判断します。論文精読も、ディベートも、その狙いは「相手の言っていることを理解すること」にあります。ここにいう「相手」は、論文精読では主として論文執筆者ですが、ディベートになると、そこに「ディベートでの相手方」が加わります。ディベートは単なる言い合いと思われがちですが、説得力ある議論を展開するには、何よりも対立する相手方の主張をよく理解する必要があるのです。参加学生との活発な議論を通じて相手の主張を理解する能力を研ぎ澄ましたい、そう願いながら、演習に臨んでいます。 3年生、4年生は、各自の関心に応じて「3・4年次演習(ゼミ)」に参加することができます。ゼミでは、教員の指導を受けながら、仲間とともに、自分の関心のある分野についてより専門的な知識を身につけることができるとともに、説得力のある議論の仕方や論文の書き方も学ぶことができます。55

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