神戸大学 医学部保健学科 学科紹介 2021
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検査技術科学専攻 私は検査技術科学専攻を卒業後、そのまま大学院に進学し、博士課程前期課程を終了しました。本学の検査技術科学専攻では、臨床検査技師の国家資格取得を目指して臨床検査に関わる知識と技術を学ぶだけでなく、最先端の研究に携わることができます。学部4年では各自が興味を抱く研究室に所属し、卒業研究を通して研究の基礎を学びますが、私はさらに深く学びたいと考え、大学院進学を決意しました。 私が所属した研究室では癌化学療法の個別化の実現・普及を目指し、治療効果を予測できるバイオマーカーの研究を進めています。この個別化治療とは、個々の患者さんに適した治療を選択して実施することで、治療効果やQOLを高められると期待されています。もちろん、研究は簡単なものではありませんが、患者さんの役に立てると信じ、2年間努力しました。このような貴重な経験を通して、自分の課題に責任をもってやり遂げることや周囲と密なコミュニケーションを取り合うことといった、社会人にとって大切なものも学ぶことができました。さらに研究と並行して、癌診断に深く関わる「細胞検査士」という資格を取得するための基礎知識を学びました。このように、研究に加え、より専門性の高い検査の知識を身につけることができたのも、大学院進学による貴重な経験だったと思います。検査技術、そしてそれをより発展させる研究に興味のある方は、ぜひ本学の検査技術科学専攻と大学院で学んでみてはいかがでしょうか。私は、この神戸大学・神戸大学大学院で過ごすことができ、本当に良かったと思っています。 私は現在、臨床検査技師として病院で働いています。病院内には多くの臨床検査部門が存在します。患者さんの血液や尿などを化学的に分析し情報を得る臨床化学検査、感染症の原因となる微生物の同定を行う細菌検査、直接患者さんに接して生体検査を行う心電図検査や超音波検査など、それぞれの臨床検査から得られる情報は医師が正確な診断や治療をするために欠かせない存在です。私は臨床検査部門の中で病理検査という業務を担当しています。病理検査とは、病変を含む身体の組織や細胞を患者さんから採取し、肉眼的・顕微鏡的に観察したのち、良性・悪性の診断や病気の進行度を決定する検査です。私の仕事内容は、その病理診断のために採取された組織や細胞の標本を作製することです。病理検査は、疾患部位そのものから採取された標本を扱うため、正確な診断に一番近いとても大切な検査であると思います。そのため、責任感や集中力が必要な業務ですが、それだけやりがいと充実感があります。私は本学の検査技術科学専攻で、臨床検査技師として働くための基礎を築くことができました。特に4年生の卒業研究では、最も興味があった病理学に関する研究を選択し、その後の仕事にも関わる専門的な知識や技術を身につけることができました。 私は在学中、互いに高め合い、支え合うことの出来る多くの友人と出会うことができました。それらの友人は就職してからも医療従事者として一緒に成長し、励まし合えるとても大切な存在です。一人でも多くの方々が本学の検査技術科学専攻に興味を持ち、また、素敵な大学生活を送っていただければうれしいです。2021学科紹介27FacultyofHealthSciences

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