神戸大学 大学案内
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日本史学専修既存の学説を現代の視点から再検討し、新たな歴史像を作り上げるのが歴史学研究です。日本史学では文献研究とともに、現地でのフィールドワークを重視しています。日本のあり方が国際社会の中で問われている今こそ、日本の歴史を再検討することが重要になっています。東洋史学専修現在では、中国やイスラム世界の動向を無視して国際社会を語ることはできません。東洋史学では、(古来より多民族で)複数の文明・宗教・言語を有し多様性に富む東洋を、複合的・体系的に研究します。西洋史学専修西洋史学は、主にヨーロッパとアメリカ大陸の歴史を研究します。この専修では、キリスト教やギリシャ・ローマ文化から大きな影響を受け、ヨーロッパ文化を担ってきた社会や国家の仕組み、政治などを現代の問題意識から研究します。心理学専修人間の「こころ」と行動を科学的に解明しようとするのが現代の心理学です。感覚や知覚はどこから来るのか。記憶や思考など高次の精神作用の仕組みは何か。人間の本質に関わるこれらの問題を解くため、実験・観察・調査といった実証的方法を駆使しながら迫っていきます。芸術学専修人類の生み出した最も偉大な成果の芸術について、創造や体験の構造だけでなく、造形(現代アート・建築・デザイン論)や映像(写真・映画論)、上演(音楽論、演劇・舞踊論)などを主に研究対象とします。言語学専修言語学はことばのあらゆる側面を研究対象とし、自然言語のメカニズムの解明を目指します。日本語や英語などの個別言語の研究や言語一般にわたる文法・意味・音声の仕組みを探る理論言語学の研究をおこないます。ことばの研究を通して人間の本質は何かという問題に迫っていきます。社会学専修現代社会に生きる人々の生活や自己表現の実態と社会的な諸問題を、社会関係、集団、階層、価値観のあり方から研究します。また、グローバル化する世界のなかで人々のトランスナショナルな移動が、人間生活の共同のあり方をどのように変容させているかというテーマを探究します。美術史学専修文化遺産や近現代の建築や都市空間、ポスターや写真、また歴史文化遺産である美術作品などの視覚的な表現すべてを対象に、そこから豊かなメッセージを読み解き、過去の人々の考え方や現代文化の隠された意味、真実を実証的に研究していきます。地理学専修地理学とは人間社会の基盤である「空間」を対象とする学問です。様々な土地を歩き、風景や景観を観察し、そこに生きる人々の声に耳を傾けるフィールドワークは、もっとも基本的な地理学の姿勢です。そこから自分なりの問いを生み出し、地図や文献を読み解きながら研究を深めていきます。学部の特色哲学・文学・史学といった古典的な学問領域と知識・社会に関する先端的な学問領域を融合。古典・先端という2つの視点から人文学を体系的に学習します。121学年100人の学生に対し、50人の教員で徹底した少人数教育を実現。質・量ともに最高レベルの教育体制で、学生の好奇心をかきたて、人文学の真髄を伝授します。3専門分野は、入学後、1年をかけてゆっくり決めることができます。15に及ぶ専門分野のすべてがガイダンス的講義を行うので、それぞれの専門分野の特徴をよく理解することができます。史学講座知識システム講座社会文化講座「知りたい」が湧いてくる!文学部は5科目15専修に分かれており、総ての専修の講義を履修することができます。そのため自分の関心の対象をじっくり探すことができ、さらに「国文学で鍵となっていた天皇崇拝って、日本史学の目線ではこんな研究がされているのか」というように専修を横断した多角的な知識を得ることができます。カリキュラムが厳密ではなく全学年向けの科目が多いため、自由に時間割を組んで自分の「知りたい」をとことん追求できることが文学部の魅力の1つです。「知りたい!」が積み重なって知識が体系化していく楽しさを、是非味わってください。学生メッセージ人文学科国文学専修 4年森岡 佑奏他者との交流を通して成長できる場文学部は少人数体制の専修のため、学年問わず議論を通して切磋琢磨できる環境が整っています。また、近年はグローバル人材の育成にも取り組んでおり、私も外国人講師や留学生の方たちと英語で討論する授業を受講したことで、語学力だけでなく洞察力や対話力を養うことができました。そしてこれらは、社会人となった今も、日々の職務において役立っています。文学部の醍醐味のひとつは、様々な人と接し、多方面にわたる能力を身につけられることです。本学部での勉学、すばらしい師との出会い、学友たちとの交流は、私にとって人生の支柱となりました。卒業生メッセージ人文学科フランス文学専修2017年3月卒神戸市役所板谷 麻鈴人間存在の原点を探求し、広い知識と深い洞察力を身につけて、新たな価値創造を目指す私たちの祖先が脈々と築き上げてきた文化を研究対象とし、人間存在の深みに光をあて、人間の文化的営みや存在意義の理解を追求します。このような学問的追究を重ねることで、深遠な人類の英知を十全に理解することを目指します。その一方、過去の知的遺産を消化したうえで、既成の価値観にとらわれない新たな文化の創造を目指します。文学部Kobe University25

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