神戸大学 大学案内
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医学部(医学科)臨床医学部門は人間を構成する各臓器の機能や病気についての研究と診断・治療が行われます。臨床医学部門は、内科学講座、内科系講座、外科学講座、外科系講座の4講座からなります。内科学講座では循環器、呼吸器、消化器、内分泌、腎臓、神経など臓器別にわかれて診療や研究がおこなわれています。内科系講座では、放射線を用いた診断や治療を行う放射線医学、赤ちゃんや子どもの病気を扱う小児科学、アトピーや皮膚がんなどを扱う皮膚科学、心の病を扱う精神医学、臨床検査法を開発する臨床検査医学などがあります。外科学講座では、消化管や消化管に附属する膵臓や肝臓のがんなどの外科的治療、乳がんの診断や治療、心臓や血管、呼吸器の病気の外科的治療と研究を行っています。外科系講座では、骨や筋などの運動器、脳や脊髄などの神経、目・耳・鼻などの感覚器、泌尿器や女性生殖器などの疾患の外科的治療と研究を行っています。基礎医学部門は人体のさまざまな構造や機能についての知識を高め、まだ解明されていない生命現象についての基礎的研究や、病気との関連性を探求します。基礎医学部門は生理学・細胞生物学講座、生化学・分子生物学講座、病理学講座、微生物感染症学講座、地域社会医学・健康科学講座の5講座からなります。生理学・細胞生物学講座では生命現象を形態や生理機能の面から学びます。生化学・分子生物学講座では生命現象を維持する種々の物質や分子にスポットを当て、生命活動の道筋を解き明かします。病理学講座では病気によりもたらされる臓器や組織のかたちの変化を追及して、その原因を明らかにします。微生物感染症学講座では細菌やウイルスの病原性について分子・細胞・個体レベルで明らかにして、新しい治療法や予防法を確立することを目標にしています。地域社会医学・健康科学講座では医療と社会の間の接点にテーマを見つけて探究しています。医学には、狭義の医学と広義の医学があり、狭義の医学とは学問としての医学。広義の医学には、科学的技術としての医術や、道徳的実践としての医学までをも含みます。また、人間を対象とする点で、人文・社会科学的な面も持っています。そのどれを欠いても完全な医学とはいえません。一方、現代の医療はチーム医療であり、集団への適応性や集団における指導性も重要な資質として求められます。また、患者さま一人ひとりの気持ちを汲みとり、配慮していくためのコミュニケーション能力も必要になってきます。このことから、本医学科では、専門的知識と技術の修得はもとより、旺盛なる探究心と創造性を有する「科学者」としての視点を備えた医師・医学研究者の育成、ならびに、人間としての深い教養と、人類に貢献する意気を感じる豊かな人間の育成を目指しています。医学部(医学科)School of Medicine今こそ医学の道へ!人はどのように生まれ、健康を維持し、年齢を重ね病と闘い、次の世代へと命を繋いでいくのか。そこには宇宙のように広がる無限の疑問があります。時には新型コロナウイルスのような挑戦状を突きつけられることもあるでしょう。私たちは、このようなとてつもなく大きな課題に好奇心を持って取り組み、人と社会に還元できる医師を育てたいと思っています。そのためには、生命現象や生体の仕組みを深く理解し、正常から疾患に至るメカニズムを学ぶ基礎医学と、患者さんの症状から、適切な検査法により正確な診断と有効な治療法を導き出す臨床医学の双方を学ぶことが必要です。神戸大学医学部医学科には、このようなリサーチマインドを持った医師、クリニシャン・サイエンティストを育成する様々なコースが整っています。入学当初から、医学研究や臨床現場に触れる機会が多く、教員とも近い距離感で学ぶことができるでしょう。また、豊富な関連施設との連携による地域医療実習や、国際都市神戸ならではの海外実習により、student doctor として実践的な臨床力を磨くことができるでしょう。ぜひ本学部で最先端の医学と医療、そして高い倫理観を学び、世界へと羽ばたく医師になって欲しいと願っています。「健康に生きたい。」この万人の願いに寄り添い、そして共に挑みませんか?医学への情熱に溢れた皆さんに出会える日を心より楽しみにしています。医学科 教授児玉 裕三臨床と研究に打ち込み、高度な技能と人間性を修得基礎医学臨床医学医学科教員メッセージKobe University36

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