神戸大学 大学案内
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生命がもつ多種多様な機能を作物、食品、化学物質・医薬品等の生産に活用するため、生命現象を生物学と化学の両面から学び、食と農に関わる多様な機能と現象を分子レベルから生態系まで広範囲に解析できる専門的な知識を身につけます。また、それらの専門職業に要する優れた能力と豊かな教養・倫理観を持った人材を養成することを目的とします。生物は生命を維持するために多様な物質を摂取し、産生しています。その生命システムに関わる物質の化学構造や作用を分子レベルで解明し、その成果を利用することを目的とした教育研究を行い、農学や関連する学術、産業分野の発展に寄与することを目指しています。生物化学、食品・栄養化学、天然有機分子化学、有機機能分子化学、植物機能化学、動物資源利用化学、微生物機能化学、微生物資源化学、および生物機能開発化学の9教育研究分野からなり、主として、化学的な手法で研究を進めていきます。当コースでは、農業に関わる様々な生物(植物、昆虫、微生物など)とそれを取り囲む環境(土壌、養分、気候、環境汚染物質など)を対象に、そこにある生命現象の原理、相互作用のメカニズムなどを学び、研究しています。それらを通じて農生態系の健全性の保持、植物の改良などを実現して、生物の持つ機能と可能性を最大限に利用し、人間社会を豊かにするための知識と技量を身につけた人材を育成します。動物資源の有効かつ安全な利用、また人を含めた動物の生命・健康維持に役立つ技術の基礎を学びます。また各教育研究分野では、哺乳類や鳥類の形態、組織、遺伝、生殖、共生のメカニズム、恒常性維持(ホメオスタシス)の基本となる栄養と代謝、生体の機能調節、感染症とその防御などについて総合的に学びます。応用植物学コースでは、食用作物、園芸植物、産業用植物、森林などの植物資源を対象に、生態学から植物生理学、分子生物学に至るまで、幅広い知識と視野を身につけることができます。さらに、人が自然との調和において直面する課題の解決に、真摯かつ果敢に取り組む人材を育成するための教育研究を行っています。応用植物学コースは、農林業の生産関連部門や食品・バイオ産業において、研究開発、普及指導に従事する人材、さらに、高度な知識を習得した農学専門家となる人材を養成し、国際社会の発展に貢献しています。学部の特色京阪神という食料大消費地にあり、丹波・但馬・播磨・淡路という大農業生産地に隣接し、国際貿易港を抱える神戸という好立地条件を生かした農学教育を行います。12160名の学生に対して約100名の教員による少人数教育を行います。また、ネブラスカ大学英語演習、フィリピン大学英語演習など国際関連教科が充実しています。340haの広大な面積を有する「食資源教育研究センター」での農牧場実習で、神戸大学ブランド農作物の生産を通して、総合的な生産技術体系を学びます。農学の新境地を化学的、生物学的に開拓する生命機能科学科友人に何学部に通っているの?と聞かれて農学部だよと答えると、よく「農業をやってるんだ!」と返されます。みなさんは農学と聞いてどんなことを思い浮かべますか。確かに農業は農学の始点ではありますが、本学ではさらに生産された農産物が流通し、時には加工されて食卓に届くまでの一連の流れを生化学、遺伝学、組織形態学などの幅広い学問分野を基盤として学ぶことができます。また学生の人数が1コース30名程度と少ないのが農学部の特長です。学生間の距離が縮まりやすいので、学習面だけでなく生活面でも運動会を開催するなど充実したキャンパスライフを送っています。学生メッセージ資源生命科学科応用動物学コース4年大黒 馨子「農作」だけじゃない食の科学を学ぶ日々農学部では、先端バイオテクノロジーから食料生産まで、幅広く学ぶ機会が与えられており、高度な専門的知識と総合的な思考力を修得することができます。私が在籍した応用動物学コースでも、「動物」と一言でいっても研究分野は多岐にわたり、様々な分野への進路が開けています。小人数制のため、同期と多くの時間を共有し、互いに助け合い、高め合えることも魅力のひとつです。また、先生方との距離も近く、勉学や進路について相談にのってもらいやすい環境です。私自身、尊敬し信頼できる先生方に出会えたことが、博士後期課程進学の決め手となりました。卒業生メッセージ資源生命科学科応用動物学コース2018年3月卒神戸大学大学院・農学研究科資源生命科学専攻・応用動物学発生工学研究室・博士後期課程伏井 実穂子「食料・環境・健康生命」に関わる諸課題を探究する農学は、我々の生命の源となる「食料」に関する学問です。農畜産物が圃場で生産され、加工されて流通し、皆さんの食卓に届くまで(From Farm to Table)を対象とする科学です。農学部では、高品質で十分な量の食料を確保し、我々の健康・生命を維持・増進し、生命環境を保全するために必要とされる最先端の知識と技術を学びます。 応用植物学コース応用生命化学コース応用機能生物学コース農学部Kobe University43

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