人文・人間科学自然科学社会科学生命・医学デジタルバイオ・ライフサイエンスリサーチパーク推進機構バイオものづくり共創研究拠点先端膜工学研究拠点傑出した知の創出社会との共創・協働有能人材の創出医工学研究拠点社会システムイノベーション研究拠点健康長寿研究拠点産業界・自治体産官学共創プラットフォーム社会実装ベンチャー創出カーボンニュートラルやウェルビーイングなどの社会的・経済的価値の創出社会との対話卓越した環境の創出ステークホルダーからの信頼・外部資金・知財収入年前に勤務していた大学の学長は、口癖のように「大学を“経営”すればもっとよくなる」と仰っていましたが、当時は3つの要素が欠けていたために、大学経営はあまりうまくいかなかったのだと考えます。1つ目は学長のリーダーシップを発揮できる制度がなかったこと、2つ目は大学の資金運用に対する規制が強かったこと、3つ目は大学と資金運用の両方に精通している人材がいなかったことです。大学が経営体として機能するためには、学長のリーダーシップの下で資金をうまく循環させることが必要です。25年前に比べると、学長のリーダーシップが発揮できる環境は整い、藤澤学長は実行されていると思います。経営改革において難しいことの一つは、内部の教職員の意識改革です。経済学には「規模の経済」という言葉があります。簡単に言えば、大学のシステム全体が大きくなることによって、規模のメリットを享受でき、一人ひとりのパフォーマンスがあがるということを指すのですが、大学全体が機能することで全学の叡智を結集した産官学が集まる異分野共創の拠点群でイノベーションを牽引・異分野共創による次世代の卓越した博士人材・若手研究者育成・アントレプレナーシップを備えた有能人材の育成異分野共創 教育・研究次世代の若手研究者をはじめとして、構成員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できるダイバーシティ&インクルーシブな環境を整備教職員にも恩恵があるということを認識してもらうためにはどうすればいいのか、日々考えています。まず第一に、「地域に愛される大学であってほしい」という私自身の願いがあります。日本全体において少子高齢化はますます加速し、大学が18歳以下人口に依存する状態は、長くは続けられません。大学に求められるリカレント教育などの役割について、時代に即して対応・進化していくことはもちろん、その中で「神戸」らしさがあることが望ましいと思います。また、以前とは大学の位置付けが変わり、大学の知を社会に実装・還元するという流れができてきましたが、この社会実装には地域や民間との結びつきが不可欠です。これまで以上に産官学の連携を密にし、「自分たちの街の神戸大学」という誇りを地域全体に醸成することが肝要で、そのことがひいては、地域から世界のエコシステムを担う■になると考えます。14これからの大学のあり方「異分野共創研究教育グローバル拠点」の経営成長戦略モデル
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