「人材」の創出システム科学専攻、情報科学専攻、計算科学専攻の3専攻で構成されていたシステム情報学研究科は、2023年4月、これら3専攻を「システム情報学専攻」に統合。同時に、博士課程前期課程の定員も増員しました。今回の改組の目玉は、複数の専門による共創(Co-Creation)と協働(Collaboration)が可能なネットワーク型の教育研究体制:C3ユニットの導入です。学生は、自らの研究分野や修士論文のテーマによらず、いずれかのユニットに属し、PBL形式の教育を受講します。分野の垣根を超え、様々な専門的知識や技術を俯瞰的に組み合わせて新たな価値の創出に寄与できる人材の養成(総合知教育)により、2023年4月に設置した医療創成工学専攻では、医療機器開発のヒントを得ることが可能な演習と、演習内容の理解を深めるための講義を医学部附属病院のキャンパス内で行っています。事前に用意された課題から行うケーススタディでは、疑似的に医療現場で価値のあるニーズを探索・明確化してコンセプトを創造し、それをビジネスにつなげるための演習などを行っています。神戸大学法科大学院では、2015年から、司法試験合格率向上のための特別な未修者スタートアップ・プログラムを実施しています。本プログラムの特長は、教員、上級在学生やOB・OGが一体となって未修者をサポートする体制です。未修者1年目の期間はもとより、入学前から進級後に至るまで、学習段階に応じた支援を実施しており、司法試験受験を終えた修了生が指導する夏期集中学習ゼミ、研究者教員によるカウンセリングなど多彩なイベントを企画・開催しています。本プログラムにより、本院の司法試験合格率が向上。全国の法科大学院共通の課題が、未修者の司法試験合格率低迷でまた、グループワークによる開発演習では、異なる学問領域を卒業もしくは修了した学生により構成したチームにおいてそれぞれの専門性を活かして議論し、各専門に基づく情報やイメージを共有することで新しく飛躍的なアイデアを創造するプロセスを体得し、集合知の創出へとつなげています。ニーズ起点の医療機器開発を関連技術の創出や最適選択により実現し、医療機器開発を主導できる人材を創出したいと考えています。国産医療機器のシードを創製し、関連企業との間で共同開発することにより、一つでも多くの新しい医療機器やシステムを社会実装することが今後の目標です。豊かな未来社会の実現に大きく貢献します。今後、学生定員のさらなる増加を図るとともに、現在の工学部情報知能工学科をシステム情報学部(仮称)として独立・昇格させ、学部から大学院までを一体化した教育を実施します。C3ユニットを活用して大学入学前から大学院修了まで一貫した総合知教育を展開し、人材育成の質的強化を図ります。ある中、本学法科大学院における未修者コース出身修了生の司法試験累積合格率は51%と、高い水準を保っています。今後も司法試験における高い合格率を維持するとともに、特に未修者コースにおいては、その設立理念である、理系学部卒や社会人経験といった、幅広いバックグラウンドを持つ法曹の養成に貢献していくことを通じて、専門職大学院としての社会的な使命に応えることを目標としています。32医療機器開発人材の創出による産業活性化〜医療創成工学専攻〜向井 敏司 教授(医学研究科)研究科の改組:一専攻化と学生定員増〜システム情報学専攻〜大川 剛直 教授(システム情報学研究科長)未修者の司法試験合格率向上のために島並 良 教授(法学研究科)TOPICS
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