神戸大学 統合報告書 2023
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知の創出財の循環■第4期中期計画の評価指標財の循環において、重要な指標は、当期総利益と外部資金獲得額です。当期総利益は、適切な「戦略的投資」を実行しても、財務健全性が保たれていることを示す指標として採用し、2022年度から2027年度の6年間で累計18億円を目標としています。また、受託研究や寄附金などの外部資金獲得額は、運営費交付金に代わる財源として資金が獲得できていることを示す指標として採用し、2027年度に160億円の獲得額を目標としています。これらの指標は、中期計画の評価指標として管理しており、適切な財務マネジメント体制の評価に役立てています。※国立大学法人では、2022年度から2027年度を第4期中期目標期間として設定しています。 ※財の循環(P.41〜50)においては、決算値に基づく金額を記載しています。※金額の端数処理は、項目毎に四捨五入を行っているため、合計額と合致しない場合があります。神戸大学の価値創造を支える財務マネジメント体制 〜知の創出、人材の創出、環境の創出による大学価値の増大〜財源獲得戦略的投資「戦略的投資」は本学の活動が拡大するに伴い、必要となる「戦略的投資」も拡大を続けています。(▶P.43 費用の推移)拡大する「戦略的投資」を支えるため、「財源獲得」が必須です。本学が国立大学法人となった2004年度は運営費交付金等の国からの資金が多くを占めていましたが、増大する資金需要を満たし、必要な投資を行うためには、様々な資金を獲得していくことが必須です。本学では、国からの運営費交付金以外の資金、いわゆる外部資金を増大させることでこの資金需要に対応してきました。企業との共同研究を促進する組織整備や、活動にご賛同いただいた方からの寄附を受け入れる基金、学内の土地や建物を有効活用した雑収入、余裕金の資金運用による運用益など、多様な取り組みを進めています。(▶P.45〜50 財源獲得に向けた取り組み)さらに、これらの「戦略的投資」と「財源獲得」を俯瞰的に整理し、本学の財務マネジメントを行うため、中期財務計画を作成しています。▼2022年度の実績値財務戦略の立案本学の活動は、国からの運営費交付金、学生からの授業料や入学料、民間企業からの共同研究費、補助金等の競争的資金、本学の活動にご賛同いただいた方からの寄附金、病院収入など、実に様々な財源に支えられています。これらの財源を活用し、新たな「知」と「人材」と「環境」を創り、様々な価値を社会に生み出していき、そのことにより新たな財源の獲得につながる。このような「財の循環」を構築していくことが、本学の財務戦略における重要な課題です。この課題に取り組むための本学の財務マネジメント体制は、まず「財務戦略の立案」から始まります。過去の傾向や実績を分析し、本学の構想を踏まえ、「戦略的投資」と「財源獲得」を計画します。この立案した「財務戦略」に基づき、学長のリーダーシップのもと各重点領域への「戦略的投資」を行います。「戦略的投資」の先に新たな「知」・「人材」・「環境」が創出され、価値が創造されます。それがまた、「財源獲得」につながり、好循環が生み出されます。増大した価値を活用しステークホルダーから新たな財源を受入学長のリーダーシップに基づく重点分野への「戦略的投資」※当期総利益は、2022年2月改訂による影響額を除いた改訂前の会計基準で算出した 金額を表示しています。※外部資金獲得額には、コロナ関連補助金等の特殊要因による獲得額を除いています。│当期総利益│将来構想と過去実績の財務分析に基づき、財務戦略を立案│外部資金獲得額│41神戸大学ビジョン達成に向けた財務戦略環境の創出人材の創出22.3億円159.7億円「財」の循環

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