神戸大学 統合報告書 2023
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財の循環▼当期総利益の推移▼2022年度 間接経費の収支状況■研究教育活動を支える間接経費の資金循環図書館や情報基盤センターは、図書資料の整備やネットワーク機器の整備を通して研究教育活動を支えており、大学が価値創造をするうえでなくてはならない組織です。しかし、これらの組織は単独での「財源獲得」が難しいという課題があります。このような組織を支える重要な財源が間接経費です。外部から受け入れた間接経費は受け入れた部局に配分しますが、一部は大学全体の予算に組み入れ、学長のリーダーシップの下、全学的な重点施策、大学の未来を担う人材への支援や本部事務局の管理経費等に戦略的に再配分を行います。また、間接経費を受け入れた部局や教員へのインセンティブに配慮しながら、基礎研究分野等への支援も行っています。このような間接経費の資金循環により、大学全体での最適な資源配分を実現し、研究教育活動を支えています。右のグラフは間接経費の収入と支出の状況を表したものです。学部・研究科や、主に研究活動を行っている学内共同教育研究推進組織では、収入が支出を上回っていますが、附属図書館や情報基盤センターを含む法人共通セグメントでは支出が上回っています。これは、学部・研究科などが受け入れた間接経費の一部を、附属図書館や情報基盤センターなどに再配分し、例えば、電子ジャーナル利用料や全学的な情報インフラ関連の経費として活用しているた法人共通附属病院学内共同教育研究推進組織(学内センター等)学部・研究科002,2151,8521,49612.12.42.11.71.62,1481,8208.85.33.00.0附属図書館(百万円)3,0002,5002,0001,5001,000500(億円)18.016.014.012.010.08.06.04.02.0現在の中期財務計画は2022年3月時点の情報に基づき作成していますが、会計基準の改訂や新たに開始した取り組みなど最新の情報や実績を踏まえ、計画の進■状況を確認しています。達成できた部分だけでなく、未達であった部分も分析し、より安定した大学経営に活かすことで、中期財務計画を財務戦略の指針として、本学の社会貢献による価値創造を支えていきます。2,2321,064めです。このように、戦略的に予算を再配分する仕組みにより、研究教育基盤の整備や集中投資が必要な事業の運営を行っており、大学全体の研究・教育基盤を支えています。このように、間接経費は人材育成・研究の発展にとって重要な財源です。17.420222022-20232022-20242022-2025当期総利益累計(計画)2022-20262022-2027当期総利益累計(実績)(年度)収入支出42財務基盤の安定に向けた取り組み■中期財務計画価値創造活動を維持・拡大するためには、研究教育診療活動を強化するための「戦略的投資」と、その投資を実施するための「財源獲得」が必要です。このような「戦略的投資」と「財源獲得」を適切に管理するには、従前のような単年度収支管理だけでは不十分であり、中長期的な観点から財務管理を行うために、中期財務計画を策定しました。中期財務計画では、2022年度から2027年度の第4期中期目標期間における、「戦略的投資」(どのような分野への投資が必要か)と、「財源獲得」(そのための財源をどのように獲得するか)を計画し、6年間の財務状況を俯瞰的に把握できるようにしました。戦略的投資では、神戸大学ビジョンに基づく取り組みをはじめ、「インフラ長寿命化計画」、「ICTマスタープラン」、「病院経営計画」など各計画に基づき必要となる投資額を見込んでいます。さらに、その投資を支える「財源獲得」として、2027年度に外部資金獲得額160億円を達成するための取り組みなどを考慮した、多様な財源の獲得額を見込んでいます。これらの取り組みを推進することで、安定的な財務基盤の確立を目指し、2022年度から2027年度の当期総利益累計額18億円の達成を目指しています。

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