神戸大学 統合報告書 2023
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■活動別コストの状況研究・教育・診療活動を行うには、活動を行うためのコストを賄う財源が必要となります。各活動のコストは財務戦略立案の重要な情報となります。本学では損益計算書上の全てのコストに科学研究費補助金等執行額や減価償却相当累計額といった損益計算書に記載されないコ診療コスト431.5億円(49%)2022年度総コスト2022年度の本学の総コストは877.7億円、そのうち教育コストは161.1億円となっています。この教育コストには、附属病院で実施している医療従事者に対しての実習や附属学校の活動に関するコストも含まれています。附属病院、附属学校でのコストを除いた学部・研究科等の教育コストは143.4億円となります。この金額を本学の学生数で割ると、学生1人あたりの教育コストは年間教育コスト161.1億円(18%)研究コスト285.1億円(33%)学部・研究科等143.4億円(89%)207218215232235233239251201741771852324201919213463423353653713813893646352012364432201337433120143844322015454031201655453931322017201820192020202120223541312011267192022222038738839338938573594033603829553831663933(年度)年間学生1人あたりの教育コスト学生数 15,869人(附属学校除く)※2022年5月1日現在(億円)9008007006005001394002230031020010016312520040■教育経費 ■研究経費 ■教育研究支援経費 ■受託研究費等 ■人件費 ■一般管理費その他 ■診療経費150157164241361371462422201822344338329318328329334334200917312520052036272006243830200733383120083344272010ストを加え、総コストを算出しました。さらに算出した総コストを、国立大学協会が示す「教育・研究コスト分析手法試案」を参考にした、本学独自の基準により研究、教育、診療の3項目に分類することで、財務諸表上では直接読み取ることができない活動別コストを見える化しています。附属病院・附属学校17.7億円(11%)2022年度教育コスト161.1億円約90万円となり、これは年間の学部生の授業料約54万円の約1.7倍という金額になります。2022年度は、国からの補助金を活用した博士課程後期課程に進学する優れた学生に奨学金を給付する「博士課程進学者支援奨学金制度」を開始するなど、授業料だけでなく多様な財源を活用して、学生の教育に対して必要な投資を行い、次世代を支える優秀な人材の育成を行っています。43877.7億円戦略的投資■費用の推移本学は、研究・教育・診療をはじめとする様々な活動を実施しており、その規模は年々拡大する傾向にあります。右のグラフは、本学が法人化した2004年度以降の経常費用の推移を示しています。経常費用は年々増加しており、2022年度は、法人化当初の約1.5倍となりました。法人化以降、本学の価値創造が拡大していくなか、必要なコストも増加しています。今後も、本学の価値創造活動を継続・拡大していくために、必要なコストを賄う財源をいかに獲得していくかが重要となります。90万円「財」の循環

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