神戸大学 統合報告書 2023
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財の循環学生・教職員・地域の方々の憩いの場を創出「神戸大学×ミズノ」のシナジーで、共創の場を生み出す本学では学内資産を有効活用し、財務基盤の強化及び課外活動支援等を図る取り組みを進めています。本学各キャンパスのフィールドワークと民間事業者へのヒアリングにより、深江地区青木テニスコートを候補地として選定しました。一部施設が老朽化しており、再整備が必要な状況であったため、民間の創意工夫・ノウハウを活用した提案の公募を2023年2月に実施。公募において、事業者が多目的スポーツ施設を整備し、完成後、大学が施設の寄附を受け、また寄附を受けた施設について大学業務に支障のない範囲で事業者に使用を認め、事業収入により事業費の回収を行うとともに維持管理運営業務を実施する負担付寄附による、財の循環に資する整備手法として企画提案書があり、審査の結果、契約予定者としてミズノスポーツサービス株式会社を選定し、事業実施に向けた基本協定書を2023年5月に締結しました。社会に貢献する「知」と「人材」、「環境」を創る本学と、70年以上の設計・施工実績を有する総合スポーツ企業のミズノ株式会社、全国No.1のス楠キャンパスでは、現在に至るまで先端的基礎・臨床医学の推進、優れた医師並びに医学研究者の養成及び兵庫県内の地域医療の充実に取り組んできました。今回、キャンパス全体の再開発を進める将来計画の先駆けとなる事業として、福利厚生施設の整備を実施しました。本事業の特長は、民間事業者に維持管理及び運営を委ねるPublic Private Partnership事業(以下PPP事業)形式をとっていることです。民間事業者が福利厚生施設に物販店等の収益施設を誘致し、その賃料で建物の建設から維持・運営まですべてを負担。そして、福利厚生施設内の課外活動施設を本学が事業者から借り受け、その賃料は本学が事業者に貸す土地の貸付料で相殺します。建物の維持管理及び運営を民間に委託することで、人件費や事務負担を抑えると同時に、大学資産を有効活用しています。さらに、公共事業における効率化に加え、民間ならではの発想を公共施設へ活用することで民間の事業機会を創出し、経済の活性化に寄与しています。今回の整備では、福利厚生施設内に、一般の人も利用できるカフェテリア、物販店、店舗を新設。地域の新たな賑わいを創出し、憩いの場を地域に提供しました。今後もキャンパスの整備を進める中で、大学教職員、学生の福利厚生・研究教育活動及び課外活動施設の充実に加えて、病院利用者へのサービス向上につながることが期待されます。償還が前提の長期借入金の他に、今回行ったPPP事業といった多様な財源を駆使することも視野に入れ、整備を進めていきます。ポーツ施設運営実績を有するミズノグループの施設運営部門であるミズノスポーツサービス株式会社が協働して事業を行うことで、本学創立120周年事業にふさわしい、「神戸大学×ミズノ」による先進的・持続的な共創の場の実現を目指しています。本学の施設でミズノグループと連携して本事業を実施することにより、スポーツを通じた健康増進の場としてはもとより、人材育成や、多様な研究のフィールドとして、地域に開かれた魅力的な大学施設づくりを実現します。今後もミズノグループのサポートを受けながら、多様な課外活動等を通じたスポーツ人材育成の場、健康活動の場、そして、防災に役立ち地域住民を守る場(神戸市指定緊急避難場所に指定)として、学生・教職員・地域の方々に愛される多目的スポーツ施設を目指します。50福利厚生施設の整備・運営を民間事業者に委託楠キャンパス福利厚生施設整備運営事業誰からも愛される多目的スポーツ施設を目指して国立大学法人神戸大学多目的スポーツ施設整備及び維持管理運営事業TOPICS

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