神戸大学広報誌『風』 Vol.21
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Action-1Action-2!! 初のフードドライブ内学主催者 神戸大学学生環境サークルえこふるフードドライブ活動12 神戸大学広報誌「風」Vol. 21“食”に関する学内活動をご紹介▼大学で集まった食品 2022年12月、神戸大学鶴甲第1キャンパスの学生食堂前で学内初の「フードドライブ」が実施された。旗を振ったのは現在、文学部4年生の大坪日向子さん。平日の午後、計4日間で缶詰や麺類など69品目、約14キログラムの食品を集めた。 フードドライブは余っている未使用の食品を集めて、フードバンクや福祉施設などに寄付する取り組み。SDGsの観点からフードロスを減らす運動の一つとして、地域のスーパーマーケットや企業、学校などに広がりつつある。「物価の高騰で個人から寄せられる食品が減っていて、何かできないかと考えました」と大坪さん。ボランティアで手伝っていたフードバンクの食品棚の変化を見て、行動を決意したという。▲環境月間ポスター 神戸大学学生環境サークル「えこふる」は、神大生にエコの意識を広げ、学生生活の身近なところから環境対策を実践してもらおうと啓蒙活動に取り組んでいる。昨年から代表を務める小城戸愉子さんは国際人間科学部の2年生。農学研究科の大学院生2人と小城戸さんと同学部の学生1人の4人で、学内に掲示する環境月間ポスターの作成や、小学校への環境出張授業、eラーニングコンテンツの製作などに取り組んできた。 小城戸さんは「例えば、安価で人気のファストファッションはつい欲しくなります。でも流行が去るのは速く、捨てるまでは短期間。ここに環境を考える意識が必要です」と、若者の物欲と環境問題の相反を指摘する。加えて、ファス国際人間科学部2年代表 小城戸 愉子さん トファッションは低賃金労働に代表される人権問題も引き起こすと言われている。「環境と経済の関係などもわかりやすく伝えていきたいですね」と意気込む。  昨年は神戸大学附属小学校で出張授業も実施した。「環境かるた」大会と丁寧な講義を組み合わせた授業は、現場の先生たちにも好評だった。かるたは日常に取り組める環境対策を読み札にしたオリジナル。遊びながらも「食べ物を無駄にしない」という気づきを与える工夫を凝らして、子どもたちの心をガッチリつかんだ。次の出張授業は「いま神戸市灘区の学童保育所で受け入れてもらえるよう調整中」と小城戸さん。今度は食品ロスと地球温暖化をわかりやすく伝えるべく、内容を練っているという。文学部4年 大坪 日向子さん たった一人で始めた取り組みだったが、環境サークルや農業サークルのメンバーの支援を得て、実施までに13人の協力者が集まった。「開催期間中は、多くの教職員や、学生も寄付しに来てくれました。イベント後には活動に興味があると声をかけてくれる学生もいました」と、手応えをつかんだ様子。初回を終え、告知方法や開催時期の課題も見えた。 学生らの生活も厳しい中で活動を広げていく難しさはあるものの、「フードドライブは何度もやっていく中で、参加が増えてくるものです」と大坪さんは力を込める。次の開催時期はまだ決めていないが、年末などの贈り物シーズンを視野に考えていきたいとしている。▲「環境かるた」出張授業風景は下記QRから自分ができるところから自分ができるところから社会貢献を社会貢献を環境問題  環境問題  わかりやすく伝えたい分かりやすく伝えたい

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