神戸大学広報誌『風』 Vol.21
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人文学研究科文化構造専攻人文学科医療創成工学専攻■文学部医学研究科■■■■■■■■■■■■■■■■■道徳的な悩みに関心があれば研究室へ苦手なのでフォローをお願いします。大学院学部大学院15安倍 里美 大学院人文学研究科講師 倫理学は対象領域が広く、演習では現代英米系の理論を中心に、生命倫理など応用倫理も幅広く探究します。哲学や倫理学は概念分析の抽象的な部分も多く“いかつい”印象を持たれがちですが、実際は日常の中で判断に悩むこと、例えば「“良い”ってそもそもどういうこと?」といったことに関心があれば誰でも歓迎です。 演習ではテキストをしっかり読み込んで、練り上げられた倫理学のロジックを理解し、自らの考えを組み立ててもらいます。保多 隆裕 大学院医学研究科特命教授 医療創成工学専攻の狙いは医療機器を開発できる人材の育成です。医療現場のニーズを元に機器のアイデアを広げる。学生が現場に入れる医学研究科の中にこの専攻を置いた理由の一つも、実践的な教育のためです。医療機器開発には多様な専門性を持つ人材が必要ですが、座学の特論と演習を連携して進めるこの授業には工学部から進学してきた学生や機器メーカーの社員、医療従事者らがいます。ニーズ探索・選別、コンセプト創造やラピッドプロトタイピングなど開発の初期プロセスを一緒に学んでいます。学生コメント学生コメントいつも刺激的な授業をありがとうございます。【赤坂知紀さん】Q1:演習の形式は? 演習はレクチャーとディスカッションで構成されています。先生から提示された文献を学生間でパート分けし、各自レジュメを作って発表します。哲学の文献を読むのは大変ですが、当日までには何とかします。(なっていないこともあります)Q2:哲学の魅力はどこにありますか? 考えることが好きな仲間とともに各々が気になっていることを議論したり、自分の持つ漠然とした違和感に輪郭を与えられること。このあたりが哲学や倫理学の面白さだと思っています。ネットワークづくりが【猿丸 歩さん】Q1:医療に従事されているそうですね? 神戸大学医学部附属病院で臨床工学技士をしています。外と交わる気風の強い職場で、機器開発に興味を持っていた私の背中を、みんなが「行ってこい」と押してくれました。最初は病院の役に立ちたいという一心でしたが、今は地域、日本にも貢献したいという思いが強くなっています。Q2:保多先生はどんな人ですか? 「人を巻き込む力が大事。いつでも巻き込んでほしい」とおっしゃっていて心強く思っています。今、まさに巻き込もうとしているところ。4月からの短いお付き合いですが、すでに3、4年経っているような気がしています。グループで考案した機器の試作品も身近な材料で製作する誰でも歓迎!現場で使われる医療機器をみんなで作ろう

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