神戸大学広報誌『風』 Vol.21
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ABUNDANCE7生きとし生けるものは「進化」を繰り返してきた。自然界における「進化」は「進歩」と同義ではない。「進化」はあくまで「変化」あるいは「変異」であり、誕生した新種が環境に適応できるかどうかによって種の未来が決まる。人が生物の進化に介入できる時代が到来しつつある。口当たりのいい牛肉、甘いトマト。近い将来、我々一人ひとりが望む生物の種、嗜好を満たす食材を手に入れることも可能になるかもしれない。だが、それだけでは我々の食生活は「変化」したに過ぎない。 テクノロジーを活用して、いかに「進歩」に結び付けられるか。他の生物と異なるのは、人類だけが考える力を備えている点にある。特集2進化―食を新たに生み出す

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