神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2023
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 「平成の市町村合併」のなかで,夢前町は姫路市に合併されました。その結果,小学校の統廃合,幼稚園の廃園,神姫バスへの補助金削減による減便が進み,山之内地区の人口は半減しています。その実態を明らかにするため,各集落の自治会長と一緒に訪問調査を実施しました。「ニッセイ財団」の助成を受け,本調査の成果は,経済社会学会での報告と学部生の卒業研究につながっています。白木基金と白木賞 白木基金とは,阪神・淡路大震災で犠牲になった経済学部の白木健介さん(当時学部3年生)のご両親から経済学部に寄附された資金を基に創設されたものです。各年度の優秀な卒業論文に対して,この基金から優秀卒業論文賞が贈られており,「白木賞」とも呼ばれています。池澤 周平宮崎 智視 ゼミ所属橋野 知子ゼミ近現代日本経済史社会政策・福祉の経済社会学ゼミ活動の成果 ゼミは,学問を通じて人格的な交流ができる,大学特有の場です。橋野ゼミでは,ティーム・ワークをはぐくみつつ,優れた卒業論文を書くことを目標にしています。「論文を書く」というと,孤独な作業のように思われるかもしれませんが,論文の書き方,テーマ探しから卒論の提出まで,みんなで協力し合って成し遂げています。協力とは?それは,ゼミの誰かが報告したら,みんなでたくさんの質問やアイディアを出し合うことです。お互いに議論を重ねると,一人一人の研究が良くなっていきます。そこで,卒論の資料や文献探しには,図書館が不可欠です。ゼミでは,社会科学系図書館の方にお願いし,毎年3回生は「図書館ツアー」をしています。恵まれた研究環境を実感でき,研究に弾みがつくようです。2021年度 優秀卒業論文賞受賞者からのメッセージイノシシは実は人間を恐れているので,こちらからちょっかいを出さない限りは安全である。ただし子連れの場合はその限りではない。2021年度優秀卒業論文賞授賞式の様子図書館ツアーを前に,説明を受けているゼミ生夢前町山之内地区での「空き家調査」にて藤岡 秀英 ゼミ学生の学びを支えてくださる先生方に恵まれた大学生活 私は大学生活の後半2年間をコロナ禍で過ごし,多くの授業がそれまでとは大きく異なるオンラインでの実施を余儀なくされました。先生方や教務係の方々もはじめての環境ながら,多くの授業で教育の質を落とすまいと工夫やサポートをしてくださり,恵まれた環境で大学生活を送れていることを実感できました。 また,ゼミでの卒業論文の執筆中には,分からない点などを質問した際はもとより,どうすればより良いものになるか,先生がご自身のことのように熱心に考えてくださったことが印象的です。そうした先生のアドバイスによって論文の完成度を高められました。 神戸大学経済学部にご興味を持たれている皆様。本学は学びに対する学生の積極的な姿勢に熱心に向き合ってくださる先生方が多くいらっしゃいます。ぜひそうした先生方のもとで,充実した学生生活をお過ごしください。15ゼミ活動の集大成:卒業論文 多くの大学で卒業論文が課されなくなっている中,神戸大学経済学部は,卒業論文を2年間の研究指導の集大成として非常に重視しています。これは経済のグローバル化が進み,国際的に通じる論理を持って自己の考えを主張することが求められている今こそ,高度な調査,分析,論理構築を必要とする卒業論文の作成が重要な訓練になると考えるからです。

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