神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2023
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 総合コースで経済学の研究者を目指す場合,前期課程2年間と後期課程3年間からなる5年一貫のカリキュラムとなります。前期課程2年間では所定の単位数(30単位以上)の講義・演習(ゼミ)・特殊研究(第2ゼミ)などを履修し,修士論文を作成します。後期課程進学後は,研究指導を通して論文を執筆し,学会報告や経済学の専門誌に論文投稿などを行い,博士論文を作成します。江元 正和神奈川大学 経済学部 特任助教2021年度修了 もう一つは「六甲フォーラム模擬報告シリーズ」です。こちらは主に就職活動中の博士後期学生が報告する場で,研究職に推薦できると判定された学生を研究科のホームページで紹介し,大学院生の就職活動を支援するのが目的です。また後期課程1-2年目の学生が早期に研究計画に対してフィードバックを受け,その後より良い研究を行っていく足掛かりの場所でもあります。卒業生からのメッセージ兼松記念館前の八重桜,図書館から第二学舎にかけての銀杏並木,第三学舍裏側の紅葉など,六甲台には四季を通じて美しく色づく木々があり,とても癒される。この研究者とのやり取りの中で大事なのが謙虚な姿勢です。研究の改善点や不足点を指摘されることも多いです。そのような指摘やコメントを謙虚に受け入れ,研究に反映することが,自分の研究をより良いものへとするためには必要不可欠であるといえます。 これらの研究への姿勢を踏まえ,神戸大学大学院経済学研究科の門を叩く方がいらっしゃることを切に願います。20講 義 選択必修科目の中で,ミクロ経済学,マクロ経済学,計量経済学に関する計12単位の授業を研究者志望者向けに設定しています。さらに,分析ツールを習得するための科目から,さまざまな分野の高度な専門科目まで,幅広い講義科目を選択することができます。また,学外から数名の非常勤講師を毎年招いています。これは現在学界で議論されている話題性のある専門分野を紹介するもので,研究科学生のニーズに応えています。六甲フォーラム 研究者養成の柱として演習とともに重要なものが共同研究・教育のためのワークショップ「六甲フォーラム」です。フォーラムの主たる目的は次の二つです。一つは国内外の研究者を招聘し,講演・講義をしてもらうことによって,大学院生の皆さんに最先端の経済学に触れてもらうことです。もう一つは演習の一環として博士課程後期課程の大学院生と研究科教員が参加し,大学院生の皆さんの研究報告に対して複数教員による組織的指導を行い,各自の研究課題が博士論文に結実するよう支援することです。各教員が主催する「六甲フォーラム」は毎月不定期に複数回開催されており,大学院生にとって大きな刺激となっています。 上記の目的をより深く追求するために,従来の「六甲フォーラム」に加え,新たに二つのセミナーシリーズを開始しました。一つは「定期六甲フォーラム」です。こちらは特定の曜限に定期的に開催することで大学院生や教員の出席の便宜を図っています。また,最もネットワークづくりに熱心,かつ研究の意味で最前線にいる若手教員(含むテニュアトラック教員)が六甲フォーラムの運営に携わることで,大学院生により最先端の経済学に触れてもらうことを目的としています。演 習(ゼミ) 本研究科の特徴は,ゼミを通じたきめ細かい研究指導が行われていることです。前期課程の入学後,大学院生はそれぞれ特定の教員のゼミに所属し,前期課程・後期課程を通じて,基本文献の読み方から始まって,研究報告を通じての論文指導や学会報告のリハーサルまで,時には厳しい指導によって,研究者の卵として鍛えられていきます。前期課程では基本文献の輪読と修士論文の作成のための研究報告が,また後期課程では博士論文作成のための個人研究報告が中心となります。また特殊研究(第2ゼミ)を履修して,指導教員以外の教員からも研究指導を受けることができます。研究への姿勢と大学院生活 大学院での生活をより豊かにするためには研究への姿勢が非常に重要です。 当然のことではありますが,学術研究は一朝一夕で完遂するものではなく,さらに学術研究はうまくいく場合もあればいかない場合もあります。その浮き沈みの中でも挫けずに日々絶えず研究に向き合う姿勢が重要です。 指導教官や他の教員のゼミへの参加,学会やセミナーなどでの研究報告など,研究へのコメントを得る機会は数多くあります。それらを踏まえて研究をより良いものへとしていきます。世界で活躍する研究者養成

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