神戸大学 医学部医学科 2022-2023
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域医療体験プログラム(研修・実習・セミナーなど)が用意されており、地域医療の現場を体験し地域医療についての見識を高めることができます。さらに、2021年4月には神戸大学医学部附属病院は“臨床研究中核病院”に認定され、今後なお一層、基礎臨床融合教育が活性化され、Physician-Scientistsの育成が加速されるものと期待しています。2020年初頭にはじまる新型コロナウイルスのパンデミック、新型コロナウイルス災禍は大きな社会変容をきたし、医学・医療および医学教育においても大きな変化がもとめられています。ウィズ・ポストコロナの時代において、医学教育・研究におけるリモート化・デジタル化は喫緊の課題であり、本学部医学科では積極的に取り組んでいます。文部科学省「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択され、本学部医学科ではデジタル技術の導入による“ハイブリッド型授業”や“ブレンド型授業”の構築・整備を進めており、より安心・安全な教育体制の整備を目指しています。これから大学入試に臨む受験生、本学部医学科の学生はじめ多くの方々が、新型コロナウイルス災禍により大きなストレスを受けています。本学部医学科では、教職員全員が一丸となってウィズ・ポストコロナの時医学研究科長・医学部長代における安心・安全でこれまで以上に質の高い医学教育を行っていく所存です。また、ウィズ・ポストコロナの時代では、我々一人一人、とりわけ医師・医学研究者一人一人が、これまで以上に、相手・第三者の立場を考えて“利他的配慮”を持って行動することがもとめられています。学生の皆さんにはストレスの多い日々を過ごされていることと思いますが、どうか“利他的精神”を持っていただき、このコロナ災禍(危機)が将来に向けて好機となるように我々とともに邁進していただくことを願っております。附属病院長眞庭 謙昌13附属病院長挨拶神戸大学医学部附属病院は明治2年(1869年)に開院した「神戸病院」に始まり、のちに兵庫県立医科大学、そして神戸大学医学部附属病院となり、現在に至っています。開設に際しては、開港して間もない神戸において諸外国に引けをとらない医療を広く提供するため、初代兵庫県知事であった伊藤博文らの呼びかけによって地元の方々から寄付が集められ、神戸らしい洋館の病院が建築され、アメリカ人医師ヴェッダーが初代院長として招かれました。一昨年には創立150周年を迎えた歴史の中で「地域に根差した国際的先進医療の実践」という開院当時の理念が脈々と受け継がれ、発展してきました。本院は、“①患者中心の医療の実践、②人間性豊かな医療人の育成、③先進医療の開発と推進、④地域医療連携の強化、⑤災害救急医療の拠点活動、⑥医療を通じての国際貢献”を基本理念に掲げ、地域医療構想における高度急性期病院として、また、国の指定による特定機能病院としての役割を果たしています。現在の診療においてはチーム医療が基本であり、不可欠であることはご存知の通りです。そのチームも、ひとつの診療科の医師チームから複数の診療科の合同チームへ、そして多職種が参加した院内チーム、さらには病院の枠を越えた地域連携へと広がっていき、これからはグローバルな視野も必須です。皆さんが将来にわたって信頼しあえる幅広い医療人の輪を構築できるよう、本院では教育環境の更なる整備を進めています。大きな夢を持ち、意欲に溢れる皆さんと診療をともにする日を心待ちにしています。

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