神戸大学 大学院工学研究科・工学部 2022
33/40

生産管理用全体表示モニタ生産管理用全体表示モニタ生産管理用全体表示モニタ生産管理用全体表示モニタ供給トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイ完成品トレイPLC組立台組立台組立台組立台組立台搬送用ロボット搬送用ロボット搬送用ロボット搬送用ロボット模擬加工機用模擬加工機用模擬加工機用トレイトレイトレイトレイ模擬加工機用タブレット模擬加工機用タブレット模擬加工機用タブレット模擬加工機用タブレット模擬加工機用タブレット大豆畑に設置した環境センサ私たちの研究室では、農業現場から得られる多種多様なデータの知的処理により、農業を効率化するしくみについて、学内外の専門家と一緒に研究しています。例えば、畑の作物を対象として、カメラ画像から推定された草丈・花数などの生育データや、センサで取得された気温などの環境データをもとに、データマイニング技術を用いることで熟練農家の知恵やノウハウを顕在化させる手法を開発しています。これによって、効果的な農作業のヒントの提供や、次世代への円滑な技術継承を可能とします。また、無線センサデバイスを用いて牛同士のインタラクションを検知することで放牧牛の行動や健康状態を分析したり、深度画像と深層学習を利用して子牛の発育状態を自動管理したりなど、最新のデバイスやデータ処理技術を活用した研究にも取り組んでいます。人工知能が搭載されたスマートファクトリーシステムいま、日本の農業は大きな岐路に立たされています。農村部における人口減少と超高齢化、40%を下回り続けている低い食料自給率、そして地球温暖化をはじめとする気候変動の影響など、様々な問題が押し寄せています。一方で、2015年には890兆円であった世界主要国の飲食料市場規模が2030年には1,360兆円へと1.5倍以上の拡大が見込まれていることなどから、競争力強化を図ることで日本の農業をグローバル展開する好機と見る向きもあります。そこで、大きな期待が寄せられているのが、ロボット技術やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)技術などの最新テクノロジを利用して農業にイノベーションをもたらす従来は、パソコンやプリンタ、スマートホンなどのIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の様々なモノがつながるようになりました。例えば、家庭内の家電製品をインターネットにつなげることで、外出中もスマートホンで操作ができます。また、玄関にとりつけた防犯カメラの様子をいつでも見ることも可能です。このように多くのものがつながる時代で重要となるのが、つながっている全てのモノを、大勢の人が生活する社会全体でどのようにうまく使いこなすかということです。そのようなスマートな社会の実現には、ネットワークでつながっているシステム全体を賢く上手に計画することが重要な課題となります。そこで我々は、ネットワークにつながる個々の要素に人工知能(ソフトウエアエージェント)を搭載し、それぞれがネットワー「スマート農業」です。インタラクション検知用のデバイスを装着した放牧牛大川剛直 教授(知的データ処理分野)体重推定のための子牛の深度画像コンピュータによるシミュレーションは、理論、実験に次ぐ第三の科学として様々な科学・工学分野で活用されています。我々は、「京」に代表されるハイエンドスパコンを活用し、熱・流体運動を高精度に予測する大規模シミュレーション技術を開発することで複雑な物理現象を解明すると共に、その技術を産業界で活用・展開するための研究開発を行っています。例えば自動車の開発では、自動車に作用する空気の力(空力)を高い精度で求め、燃費を予測、向上することが強く求められています。また、空力は、高速走行する自動車の安全性にも大きく関わります。今まではこういった空力予測には、風洞を用いた実験が行われてきました。ここに大規模空力シミュレーションを適用することで、風洞実験に匹敵する精度での空力予測を、高速かつ低価格で実現できるばかりでなく、風洞では計測が不可能な、追い越しやすれ違いといった実走行状態での自動車の走行安全性評価が可能となります。      坪倉 誠(計算流体分野)クを使って通信・交渉・制御することで、システム全体をスマートに計画し運用する研究を進めています。例えば、このシステム計画技術をモノづくりに応用することで、今までにない賢くてスマートな工場(スマートファクトリー)が実現され、消費者ひとりひとりの好みに応じた様々なカスタマイズ製品を、適切な価格で提供することが可能になり、製造立国日本におけるモノづくりを支援することができます。また、ツイッターやフェースブックなどのSNSを用いた情報の広がり方をシミュレーション手法で解析したり、リーマンショックのような突発的なリスクに負けない金融ネットワークを設計するなど、大規模なシステム内の様々な問題に対して、様々なシステム最適化手法を用いた問題解決を行なっています。      貝原俊也 教授(システム計画分野)スパコン「京」による大規模自動車空力シミュレーションツイッター利用者間のつながりネットワーク解析情報知能工学研究トピックスシステム計画大規模熱流体シミュレーションTOPICSスマート農業

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る