神戸大学 統合報告書 2024
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■です。大学各関連部門と子会社が緊密に連携できれば、民間企業としてのスピード感や柔軟性を活かし、迅速で質の高いスタートアップ支援ができます。研究段階や事業化検討段階の研究シーズを大学が把握できていれば、KUIによる学術相談等のサポートや、早期の投資につなげられるでしょう。KUCの大きな特色は、神戸大学発ベンチャーだけではなく、他大学・研究機関発のベンチャー、神戸大学の卒業生が創業したベンチャーも支援対象としている点です。また、KUCは民間の財源をもとにしているため、研究者は柔軟に活用できる資金として投資を受けられます。スタートアップ推進に向けた拠点づくりさらなる研究力の向上を目指すうえで、大学の知を余すことなく活かすシステムの構築が重要であると再確認できました。その点から、デジタルバイオ・ライフサイエンスリサーチパーク(DBLR)推進機構の取り組みについてお聞かせください。研究費の獲得のために、研究成果の事業化・社会実装の重要性も高まっています。神戸大学における大学発ベンチャー支援についてお聞かせください。河端 産官学連携によるイノベーション創出や、産官学の持続的・発展的なパートナーシップの確立、研究成果の社会還元の促進のため、学内に産官学連携本部を設置しています。また、産官学連携本部の機能の一つを子会社化する形で、2020年3月に、本学の100%出資で「株式会社神戸大学イノベーション(KUI)」を設立しました。松尾 KUIは、大学における知的財産の社会実装を進める業務を基礎とし、大学発のスタートアップを推進し、地域社会発展への貢献を目指す組織です。2023年1月には、KUIの100%出資子会社として「株式会社神戸大学キャピタル(KUC)」を設立し、民間企業からの資金提供(投資)を受けて「神戸大学ファンド」の運用を開始しました。国立大学で初の、民間資金のみを活用したファンドです。子会社化する場合、大学の目的や方針を大学と子会社がグループとして共有できるようにすることが23目利きの力と、早い段階で投資をする仕組みがスタートアップの成長につながる

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