Special conversation河端 本機構を中心とした取り組みである「バイオものづくりの卓越した基礎研究と社会実装の両輪で世界をリードするイノベーションを継続的に創出する地域中核のグローバル・イノベーション・キャンパス」が、2023年度に文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されました。バイオものづくり共創研究拠点を強化し、世界的な研究機関と連携しながらバイオものづくりの世界的な研究拠点を形成しつつ、それらの成果からグローバル・スタートアップを推進する事業です。グローバル・イノベーション創出機能を強化するため、研究からスタートアップ創出までをマネジメントするプロフェッショナル集団「グローバル・イノベー神戸大学の研究力を高めるという観点から、今後の展望をお聞かせください。松尾 産業開発の視点からマーケットサイドのニーズを把握・分析し研究者に提供することで知的財産の高付加価値化を図るとともに、事業化における研究者の負担を抑えつつ、研究をもとにした事業化を進めるために、経営支援を強化する必要があります。外部の人材も活用しながら、あらゆる大学の知を事業化の観点と結び付けて、知財収入を獲得し、将来の研究へとつなげていきたいと考えています。ション・カタパルト」を整備しました。国際異分野共創研究で世界に伍する「Engineering Biology」を構築するとともに、研究のDX・自動化を推し進め、次世代を見据えた研究環境を構築し、大学全体へと展開していきます。そして、神戸市と密に連携し、神戸医療産業都市におけるグローバル・バイオクラスターを創出し、地域産業の活性化を目指します。さらには、これらの取り組みを全学に波及させ、最終的には、神戸大学全体をグローバル・イノベーション・キャンパスへと変革させていきます。松尾 KUIでは、大学側の取り組みに対応する組織として「グローバルビジネス(GB)共創室」を設置しました。「社会システムイノベーション研究拠点」「バイオものづくり研究拠点」「先端膜工学研究拠点」「医工学研究拠点」「健康長寿研究拠点」という5つの重点研究領域間の連携強化につながるような支援を進めたいと考えています。また、神戸医療産業都市に参画する企業・研究機関等と共創し、大学と社会との間で「知」「人材」「資金」が好循環する経営成長戦略モデルの実現に貢献します。最後に河端 大学の重要なミッション「社会への貢献」の一つである、研究成果の社会還元を推進するためには、基礎研究の推進だけではなく産官学の連携が不可欠です。学内の研究シーズと、企業・社会のニーズのマッチングを促進するため、産官学連携本部では産業界・自治体・全学研究者とともに異分野共創によるイノベーションを生み出す窓口としての機能を果たしていきます。本日はどうもありがとうございました。24産官学連携の拠点づくりや研究の社会実装支援が研究のさらなる発展に寄与
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