「知」の創出左から水谷 正治 教授、小山 竜平 助教、石崎 公庸 教授、湯浅 正洋 助教ゼニゴケは世界中に広く分布しているコケ植物ですが、これまで植物資源としては未活用であり、また、独特の匂いやエグ味のために、食用として利用された事例も過去にはありませんでした。しかし、その葉状体は、人の健康に有用な長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を蓄積するという、一般的な作物にはない特徴を有しています。本研究ユニットでは、ゼニゴケを利用した、新たな機能性野菜の実現や、有用成分生産工場としての植物工場栽培システムの創出を目標としています。本研究では、作物として生産・利用実績のないゼニゴケに対し、オリジナル気相栽培法(特許出願準備中)という、独自の生産技術を開発しました。これにより食味を改善し、サラダや天ぷら等での食用が可能な品質とともに、非常に高い増殖効率を実現することができています。また、ゼニゴケは、これまで実験モデル植物としては多くの研究に用いられており、遺伝子組み換えやゲノム編集などの分子生物学的手法が確立されています。これらの手法を利用した品種改良を行い、様々な有用物質の生産プラットフォームとなることも期待できます。本研究では、農学・理学・人間発達環境学といった所属の異なる教員がユニットメンバーとなり、研究科や専攻の枠を越えて、ゼニゴケの社会実装や大学スタートアップベンチャーの立ち上げを目指しています。この異分野の研究領域の連携・協業こそが、ゼニゴケの新たな産業利用の創出のために不可欠な研究基盤となっています。28ゼニゴケで食と医療の革新を石崎 公庸 教授(理学研究科)、水谷 正治 教授(農学研究科)、嶋川 銀河 助教(農学研究科)小山 竜平 助教(農学研究科)、湯浅 正洋 助教(人間発達環境学研究科)
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