「人材」の創出大学附属病院を実践の場として、医療機器のコンセプトを生み出すための演習を実施しています。医学・工学など異なる学問領域が交わるため、技術開発だけでなくニーズ抽出を起点としたコンセプト検討が可能です。ニーズを捉えた汎用性の高い医療機器の開発を進めるために、2025年4月に医学部医療創成工学科を新設します。学部・大学院の一貫教育を通じて、コンセプトから考えられる医療機器開発人材を育成する方針です。私は、対話型AIとソフトウェア開発技術を組み合わせ、一人ひとりに寄り添った個人適応サービスの実現を目指しています。本プロジェクトの発表会や討論会等では、異分野の博士学生との間で各専攻独自の着眼点や研究プロセスを共有し、新たなAI活用アイデアや社会実装の視点を得ました。また、経済的支援により研究時間が増えて非常に助かっています。博士号取得後は大学教員を志望し、分野・世代を超えて人と人をつなぐ教育的研究者となりたいです。SDGsを達成するには国際的な協力が不可欠ですが、文化や考え方の違いが壁となっています。そこで、世界共通で身近な「食」に注目した国際プログラムを実施しています。米国をはじめとした海外の大学生と共に「食」について学び、背景にある違いを理解した上で、地球規模の課題解決につなげる人材を育成することが目的です。このプログラムは遠隔講義と海外研修を組み合わせた長期プログラムのため、学生同士の密な交流を促し、継続的な学び合いを実現しています。34異分野共創による次世代卓越博士人材育成プロジェクト中田 匠哉さん(工学研究科 博士課程後期課程2年生)医療機器開発の転換へ向井 敏司 教授(医学研究科医療創成工学専攻)「食」を通じた異文化理解で持続可能な世界へ白井 康仁 教授(農学研究科長)
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