神戸大学 統合報告書 2024
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将来構想と過去実績の財務分析に基づき、財務戦略を立案「財」の循環知の創出財の循環0(億円)604022.32010.62022学長のリーダーシップに基づく重点分野への「戦略的投資」増大した価値を活用しステークホルダーから新たな財源を受入当期総利益累計(計画)43.722.218.515.0202320242025KU VISION 2030財務戦略当期総利益累計(実績)21.518.220262027神戸大学中期財務計画本学の活動は、国からの運営費交付金、学生からの授業料や入学料、企業との共同研究費、競争的資金としての補助金、活動にご賛同いただいた方からの寄附金、病院収入など、実に多岐にわたる財源に支えられています。私たちは、これらの貴重な財源を最大限に活用し、新しい「知」の創造、優秀な「人材」の育成、充実した研究教育「環境」の整備に取り組むことで、社会に様々な価値を提供しています。そして、その活動を通じて新たな財源を獲得し、さらなる発展につなげていく「財の循環」を生み出すことが、神戸大学の目指すビジョン達成のための財務戦略における最重要課題です。この挑戦的な課題に立ち向かうため、私たちは過去の実績や傾向を分析し、大学の長期的な構想を踏まえた「戦略的投資」と「財源獲得」の計画を立案しています。そして、学長のリーダーシップのもと、その計画に基づいて研究、教育、社会貢献など重点領域への投資を果断に実行し、新たな価値の創出に邁進しています。それら本学の活動が拡大するにつれ、必要な投資も年々増加の一途をたどっているため、国からの運営費交付金だけでなく、企業との共同研究の促進、寄附金の拡充、学内の土地や建物を有効に活用した雑収入の拡大、余裕金による資金運用益の最大化など、多様な財源の獲得に全学を挙げて取り組んでいます。さらに、これらの投資と財源獲得を俯瞰的に管理し、大学全体の財務状況を常に把握しながら、中長期的視点に立った財務マネジメントを行うため、中期財務計画を作成しています。この中期財務計画に基づき、財務目標の達成持続的な価値創造を実現するためには、研究、教育、診療の各活動を強化する「戦略的投資」と、それを支える「財源獲得」が不可欠です。この2つを効果的に管理するためには、単年度の予算管理だけでなく、中長期的な視点からの財務管理が重要となります。そこで、2022年度から2027年度にわたる中期財務計画を策定しました。この中期財務計画では、第4期中期目標期間(2022年度〜2027年度)において、具体的にどの分野にどれだけの投資が必要か(「戦略的投資」)、そしてそのための財源をどのように獲得するか(「財源獲得」)の計画を立てています。これにより、6年間の財務状況を俯瞰的に把握できるようにしました。具体的な「戦略的投資」としては、神戸大学のビジョンをまとめた「KU VISION 2030」に加え、「インフラ長寿命化計画」や「ICTマスタープラン」「病院経営計画」など、それぞれの計画に基づく必要な投資額を見込んでいます。その投資を支える「財源獲得」として、外部資金獲得額の増加に向けた取り組みを通して、安定した財務基盤を築くことを目標としています。現在の中期財務計画は、2022年3月に作成したものを基に、毎年度その見通しを確認しています。この確認の際には、新しい取り組みの開始など、最新の情報や実績を考慮しています。そして、計画の進行状況をチェックし、達成できた点と未達成の点を分析することで、大学経営をさらに安定させるための対策を講じ、中期財務計画を財務戦略の指針として活用します。これを通じて、本学の社会貢献を通じた価値創造をサポートします。状況を定期的に評価し、必要に応じて計画の見通しを確認することで、健全かつ持続可能な財務運営を目指します。このように、本学は多様な財源を確保し、財務戦略に基づいた戦略的な投資を行うことで、社会に新たな価値を提供し、より良い未来の創造に貢献することを使命としています。▼神戸大学の価値創造を支える財務マネジメント体制〜知の創出、人材の創出、環境の創出による大学価値の増大〜▼当期総利益の推移人材の創出環境の創出財源獲得戦略的投資財務戦略43中期財務計画神戸大学ビジョン達成に向けた財務戦略

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