「財」の循環50法人共通(本部事務局、情報基盤センター等)附属図書館附属病院学内共同教育研究推進組織(学内センター等)学部・研究科※当期総利益は、過年度との比較のため、2022年2月の会計基準改訂による影響額を 除いています。※外部資金獲得額は、過年度との比較のため、コロナ関連補助金等の特殊要因による 獲得を除いています。学内会議で審議予算案の策定2019.51513.610PlanActionDoCheck国立大学の第4期中期目標・中期計画は、2022年度から2027年度までの6年間における各大学の運営方針や目標を定めたものです。この計画は、国立大学が社会の要請に応え、その使命を果たしていくために、研究、教育、社会貢献等の分野で、どのような取り組みを行っていくのかを明確にしたものであり、大学の自主性・自律性を尊重しつつ、国民に対して説明責任を果たすことを目的として定めています。本学の第4期中期計画において、財務面での重要な評価指標として設定しているのが「当期総利益」と「外部資金獲得額」の2つです。「当期総利益」は、大学の将来に向けた戦略的な投資を行いながらも、財務の健全性が保たれているかを示す指標であり、2022年度から2027年度までの6年間で、合計18億円の当期総利益を目標に掲げています。「知」の創出、「人材」の創出、「環境」の創出を持続的に拡大していくためには、限られた資金を戦略的に投資することが重要です。本学では、透明性と公平性を確保しつつ、効果的な予算配分を行うため、以下のようなプロセスで予算編成を行っています。1.各部署から予算要求書を提出してもらい、「戦略的事業評価専門委員会」が過去の実績等を審査します。執行部が要求部局へのヒアリングを実施し、その結果を踏まえて予算案を策定します。予算案は、部局長会議や学外有識者を含む経営協議会など、学内の重要な会議で審議されます。最終的に役員会で予算を決定します。2.3.4.外部資金は、研究等を実施するために研究者が使用する直接経費と、直接経費に対して一定比率で手当され事業実施に伴う管理等に必要な経費として管理組織が使用する間接経費があります。間接経費は、外部資金を受け入れた部局に配分されますが、その一部は大学全体の予算に組み入れられ、学長のリーダーシップの下、全学的な重点施策や若手人材の育成、本部事務局の管理経費などに戦略的に再配分されます。また、間接経費を受け入れた部局や教員へのインセンティブにも配慮し、基礎研究分野への支援にも使われています。例えば、大学の附属図書館や情報基盤センターは、図書資料の整備やネットワーク機器の充実を通して、研究教育活動を支える重要な役割を担っています。しかし、これらの組織は単独での収入確保が難しいという課題に直面しているため、本学では外部から受け入れた間接経費を活用し、これらの組織を支援しています。間接経費の収入と支出の状況を見ると、学部・研究科や学内共同教育研究推進組織では収入が支出を上回っている一方、附属図書館や情報基盤センターを含む法人共通セグメントでは支出が上回っています。これは、学部・研究科などが受け入れた間接経費の一部が、附属図書館や情報基盤センターに再配分され、電子ジャーナル利用料や全学的な情報インフラ関連の経費として活用されているためです。一方、「外部資金獲得額」は、国からの運営費交付金だけでなく、企業などとの共同研究や、個人・団体からの寄附金など、大学外からの資金をどれだけ獲得できているかを示す指標です。2027年度までに、年間160億円の外部資金を安定して獲得することを目指しています。▼2023年度の実績値│当期総利益│▼学内予算配分手続きの流れこのような間接経費の戦略的な再配分により、大学全体の研究・教育基盤の整備や、集中投資が必要な事業の運営が可能となっています。間接経費は、大学の人材育成と研究の発展にとって重要な財源であり、大学全体の価値創造を支えています。▼間接経費の収支状況各組織の長が出席する部局長会議や、外部有識者が参加する経営協議会等で予算案を審議し、役員会で決定(3月)過去実績、ヒアリング結果、収入支出見込等を勘案して、次年度の予算案を策定(2月)(億円)決定した次年度予算編成に基づき、各組織に配分(3月)予算要求書の内容について、執行部が学内組織の長からヒアリングを実施(1月〜2月)配分された予算を活用し、事業を推進(4月以降)学内の各組織が次年度の事業実施に必要となる予算要求書を提出(12月)過去の実績を評価(12月〜1月)予算配分学内ヒアリング4.01.92.31.9│外部資金獲得額│事業実施予算要求書の提出戦略的事業評価専門委員会収入支出10.76.34.10.044第4期中期計画の評価指標予算編成プロセス間接経費の循環21億円181億円
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