「財」の循環株式会社神戸大学キャピタル(以下KUC)は、国立大学初の民間資金のみを活用した大学発ファンドである「神戸大学ファンド」を通じて、様々な神戸大学発ベンチャーへの新規投資を推進しています。2023年3月には、神戸大学副学長である近藤昭彦教授と大学院科学技術イノベーション研究科の柘植謙爾特命准教授(当時)らの研究成果の事業化を目的に設立されたバイオベンチャー企業、株式会社シンプロジェンへの新規投資を実行しました。シンプロジェンは、DNA合成・DNAライブラリー構築の両サービスを多様な産業分野の顧客に提供する技術基盤を有し、この技術を活用した遺伝子治療バイオファウンドリ■・サービスは研究開発を臨床試験へとつなげ、持続可能な経済成長を目指すバイオエコノミーの実現に貢献できることから、将来的には、治療困難な疾患の治癒や脱炭素社会の実現など、社会的・経済的価値の創出を促進することが期待されています。その他にも、2023年11月には神戸大学数理・データサイエンス2024年4月1日、深江地区多目的スポーツ施設「KOBE UNIVERSITY SPORTS FIELD」がオープンしました。本学とミズノスポーツサービス株式会社が協力して運営しており、学生や教職員以外も利用可能です。本施設は学生・教職員へのサービス向上や地域貢献、学内資産の有効活用による自己収入の増加を目的に設置されました。気軽に活用できるスポーツフィールドであるとともに、災害時には避難所や支援物資の集積場の役割を果たすなど、地域に開かれた大学施設として運用されています。センター長である小澤誠一教授の研究成果の社会実装を目的に設立された神戸大学認定ベンチャー企業、株式会社テラアクソンへの新規投資を実行しました。テラアクソンは、人工知能領域において、秘匿性の高いデータを用いた複数主体間での学習を通じて各種産業のイノベーションを起こせる可能性のある技術の事業化と、ソリューションの大規模展開を通じて金融セキュリティ・ヘルスケアの向上等、社会的インパクトをもたらすことが期待されています。KUCでは、大学の知、人材、環境を活用し、神戸大学及び地域の生み出した学術、研究成果等を社会実装につなげることを目的に投資活動を行い、これまでに神戸大学ファンドを通じて14社への新規投資を実行しています(2024年7月時点)。神戸の地からユニコーン企業を輩出することを目指し、大学を育んできた地元神戸、兵庫を中心に、関西ひいては日本を活性化する起爆剤となるような投資活動を推進していきます。52神戸大学キャピタル、知と技術の橋渡し 神大発ベンチャーへの投資で未来を拓くKOBE UNIVERSITY SPORTS FIELD
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