ひとりひとりの、研究に取り組む情熱と信念が、組織を進化させ続ける新川 拓哉NIIKAWA Takuyaけるプライバシーの問題などが大きなテーマです。人間の意識と心の研究については、内在的な関心に基づいてやってきたのですが、それを糧として社会的問題にも還元できないかと考えてたどり着いたのが科学倫理に関するテーマでした。 私はウェアラブルデバイスを使用した研究を行っていま大西す。情報端末を身体に装着して、人間の活動に関するデータを集計し、人体への理解を深める研究です。さらに、その情報を活かして、人間の能力を拡張するようなデバイス開発も行っています。身体の疲労により、一時的に低下した五感をカバーするものや、シューズに発電装置を埋め込み、バッテリー問題を改善しながら、行動を記録しバリアフリーマップを更新し続けるデバイス人文学研究科 講師神戸大学令和6年度優秀若手研究者賞を受賞。人間の意識についての研究や、それを起点として、科学倫理をテーマに社会問題についても考究する。それぞれ異なる分野で未来を切り拓く、神戸大学の若き研究者たち。彼らの情熱、探究心、そしてそれを支える環境について神戸大学長 藤澤正人との座談会を実施しました。研究者としての使命と挑戦を浮き彫りにしていくとともに、神戸大学が研究活動へそそぐ熱意に迫ります。まずは皆さんの専門とする研究分野と、研究を始めたきっかけを教えてください。 主に2本の柱を元に研究を行っています。一つは人間の新川意識と心の研究、もう一つが最先端科学にまつわる倫理的・法的・社会的課題をテーマとした研究です。人間の意識と心の研究は、「自分の心をいかにして自分で知覚するのか」という部分に焦点を当てて研究をしています。もう一方の科学技術に対する社会的問題に関わる研究は、パーソナルデータの取得にお05研究分野から見るそれぞれの使命学長×若手研究者 座談会President and Young Researchers Roundtable
元のページ ../index.html#6