神戸大学 学生広報誌『door』Vol.01
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01ALUMS OUT AND ABOUT山頂から日の出を眺める。休日は趣味の登山を楽しむ カルビーを代表するロングセラー商品「じゃがりこ」。永吉さんは2022年からマーケティング本部のじゃがりこチームで、商品企画や販売戦略、SNSやファンサイトの運用を担っている。 「今は『あげりこ』のプロモーションに力を入れています。『あげりこ』というのは、『じゃがりこを人にあげる』という意味のカルビーの造語で、女子高生がパッケージにメッセージを書いて贈り合っていたのがヒントになりました。2023年8月から9月末にかけてパッケージのデザインコンテストを開催し、クリエーターや一般からも4000件以上の応募がありました。その中から選んだ作品4点を、24年度中に商品化する予定です」 子どものころからお菓子好きで、もともとはパティシエになりたかった。専門学校に行くつもりだったが、「高校1年生の夏休みの課題で、どんなお菓子が売れるのかを調べて論文にまとめました。それが賞をもらったことで、マーケティングに興味を持ちました」。その後、両親の勧めもあって、大阪市内の自宅から通える神戸大学経営学部に進んだ。 学生時代は、マーケティングや会計、経営学などを幅広く学ぶ一方、アントレプレナーシップを専門にするゼミに入り、起業も経験する。「フィールドワークを通じ、有馬温泉に遊び場がなながよし まい : 1996年大阪市生まれ。2014年、神戸大学経営学部入学。2019年に卒業後、カルビー株式会社に入社。研修後は東日本事業本部 首都圏第二支店に配属され、主に東京・神奈川エリアで営業を3年間経験する。現在はマーケティング本部スナック3部じゃがりこチームで商品企画や販売戦略を担当。SNSとファンサイトの運用も行っている。いという課題が見つかりました。そこで、事業計画書をつくり、空き店舗に射的場を開設しました。夏休みの1カ月間ですが、すごく繁盛して、かなり利益も出ました」と笑う。 大学では終始一貫、「お菓子のマーケターになるには何が必要か」を考え、行動した。学生が学部や学科の垣根を越えて学ぶ「道場未来社会創造研究会」(現在のV.School)にも参加し、そこで出会った■園景子特命助教(現在は准教授)の紹介で、消費者の購買行動などを学ぶために大阪大学の講義にも通った。「私は■園先生にいろいろ助けてもらえたので、学生時代にこの人だったら信頼できるという人に出会えたらいいですよね」という。 就職活動は3年生から開始し、夏休みに食品メーカーやベンチャー企業で短期インターンシップを経験した。「当時、エントリーシートは100社ぐらい出すのが普通でしたが、私は食品メーカー15社ぐらいに絞りました。カルビーは商品企画の職種別採用があり、いろいろな社員の方に会わせてもらって、居心地がよさそうだと思って決めました」。 2019年の入社後は3年間、東京・新宿支店でスーパーなどの営業を担当した。当初1年間はさまざまな部署で研修し、北海道のジャガイモ農場や倉庫での研修も楽しかった。ところが、営業を担当してしばらくすると、コロナ禍が始まる。「在宅勤務でお菓子の需要は増えたため、お客様からの発注に対応しきれず、謝るしかなかったです」と振り返る。 これからの目標は、「マーケティング面からブランド全体を見られる人、ブランドマネジャーになりたいですね」。一方で、週末には洋菓子の専門学校に通い、製菓衛生師の国家資格の取得を目指している。「いつか自分のお店を持てたらいいなと思っています」と、将来の夢を描く。神戸大学を卒業後、企業や行政、社会貢献活動などさまざまな分野で奮闘する先輩たちを紹介する。第1回目は食品メーカー・カルビーで「じゃがりこ」のマーケティングを担当する永吉真衣さん(28)に登場してもらった。永吉真衣さん (2019年 経営学部卒)大好きなお菓子のマーケティングを追い続けてあちこちの卒業生

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